昨夜、青空文庫で遊んでいたら、村山槐多という作者の「悪魔の舌」という短編をみつけ、読んでみました。
悪魔の舌 | |
村山 槐多 | |
メーカー情報なし |
悪魔の舌 (青空文庫POD(ポケット版)) | |
村山槐多 | |
青空文庫POD |
村山槐多、大正時代の画家で、詩や小説も書き、わずか22歳で夭折した、という人でした。
「悪魔の舌」、なかなかに興味深い作品でした。
なにやら楳図かずおの恐怖漫画を読むような楽しみがありました。
金子という25歳の詩人の物語です。
物語は、金子が自殺して後、友人が遺書をみつけ、その遺書に奇っ怪なことがつづられている、という構成になっています。
金子はある時を境に、何を食っても不味く、どうしたのかと思っているうちに、悪食に走ります。
悪食とは、土、ミミズ、毛虫などを食すのです。
そしてそれらは、とてつもない美味、いや、美味というより麻薬のような恍惚をもたらす食い物と感じます。
そんな食生活を続けているうちに、なぜか金子の舌にはびっしりと針が生えてしまうのです。
悪食はさらに進んで、人肉を食いたいという欲望につながります。
そしてある晩、谷中墓地で若く美しい女の死肉を喰らい、もはや止まらなくなり、ついには美少年を殺害して食すにいたりますが、その美少年の足の裏に特徴ある痣をみつけ、それは赤ん坊の頃別れた弟のものであったことに気付き、もはや人外境に堕ちたことを思い知り、自殺する、というお話。
この小説、かなり描写がグロイです。
英国のホラー作家、クライヴ・バーカーを思い起こさせます。
クライヴ・バーカーと言えば、「ヘル・バウンド・ハート」の映画化作品、「ヘル・レイザー」シリーズが有名ですね。
ヘルバウンド・ハート (集英社文庫) | |
宮脇 孝雄 | |
集英社 |
ヘル・レイザー [DVD] | |
クライヴ・バーカー,クライヴ・バーカー | |
キングレコード |
「ヘル・レイザー」シリーズは、グロさという意味で天下一品だと思います。
グロさ満点の外見の魔道士が登場し、究極の快楽でもある残酷行為を繰り広げるホラーの名作です。
「悪魔の舌」は、掌編といってもよい短さですが、そのグロさは「ヘル・レイザー」にも劣らないと感じました。
短くて気色悪い小説を読みたい方は是非どうぞ。