ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

悪魔の舌

2017年11月24日 | 文学

 昨夜、青空文庫で遊んでいたら、村山槐多という作者の「悪魔の舌」という短編をみつけ、読んでみました。

悪魔の舌
村山 槐多
メーカー情報なし

 

悪魔の舌 (青空文庫POD(ポケット版))
村山槐多
青空文庫POD

 村山槐多、大正時代の画家で、詩や小説も書き、わずか22歳で夭折した、という人でした。

 「悪魔の舌」、なかなかに興味深い作品でした。
 なにやら楳図かずおの恐怖漫画を読むような楽しみがありました。

 金子という25歳の詩人の物語です。
 物語は、金子が自殺して後、友人が遺書をみつけ、その遺書に奇っ怪なことがつづられている、という構成になっています。

 金子はある時を境に、何を食っても不味く、どうしたのかと思っているうちに、悪食に走ります。
 悪食とは、土、ミミズ、毛虫などを食すのです。
 そしてそれらは、とてつもない美味、いや、美味というより麻薬のような恍惚をもたらす食い物と感じます。

 そんな食生活を続けているうちに、なぜか金子の舌にはびっしりと針が生えてしまうのです。

 悪食はさらに進んで、人肉を食いたいという欲望につながります。

 そしてある晩、谷中墓地で若く美しい女の死肉を喰らい、もはや止まらなくなり、ついには美少年を殺害して食すにいたりますが、その美少年の足の裏に特徴ある痣をみつけ、それは赤ん坊の頃別れた弟のものであったことに気付き、もはや人外境に堕ちたことを思い知り、自殺する、というお話。

 この小説、かなり描写がグロイです。
 英国のホラー作家、クライヴ・バーカーを思い起こさせます。
 クライヴ・バーカーと言えば、「ヘル・バウンド・ハート」の映画化作品、「ヘル・レイザー」シリーズが有名ですね。

ヘルバウンド・ハート (集英社文庫)
宮脇 孝雄
集英社



ヘル・レイザー [DVD]
クライヴ・バーカー,クライヴ・バーカー
キングレコード

 「ヘル・レイザー」シリーズは、グロさという意味で天下一品だと思います。  
 グロさ満点の外見の魔道士が登場し、究極の快楽でもある残酷行為を繰り広げるホラーの名作です。

 「悪魔の舌」は、掌編といってもよい短さですが、そのグロさは「ヘル・レイザー」にも劣らないと感じました。

 短くて気色悪い小説を読みたい方は是非どうぞ。


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