ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

いやぁな感じ

2016年05月15日 | 文学

 今日もすばらしい陽気でしたね。

 今朝は7時に起きてシャワーを浴び、ハムエッグとお新香で朝飯を食いました。

 少し食休みをして、洗濯をし、掃除機をかけ、さらに便所掃除もして、布団を干しました。
 なんとなく仕事ちっくですが、9時半には一とおり済ませました。

 同居人は朝が苦手なので、日曜日の家事は大方私がやることになります。

 その後、読書を楽しみました。 

 なんとなく嫌な感じのする男を主人公にした中篇3編を収めた吉田修一の「熱帯魚」です。

 子連れの美女と、子供の頃親が再婚し、連れ子どおしだったために義理の弟となった青年と、奇妙な同棲生活を送る大工の青年。
 ゲイの大学教授と仲良しで、それがスパイスになっています。
 義理の弟は引きこもりがちで、熱帯魚を飽きずに眺めています。
 で、この大工、なんというか心が狭いというか、自分ひとりの鬱屈にとらわれて、乱暴を働いたりします。

 これが「熱帯魚」

 彼女にDVを働き、怒った彼女が主人公の親友と浮気してしまいながら、許さない、ということの意味がどうしても分からないひねくれ者を描いた「グリーン・ピース」

 会社の休暇を利用して房総の民宿でバイトし、その間に民宿の奥さんで心を病んでいるらしい中年女をそそのかして東京につれて来ながら、電車で帰れなどとひどいことをぬかす青年サラリーマンを描いた「突風」

 3作品に共通しているのは、何かの鬱屈を抱え、他人に迷惑をかけるような突飛な行動を取りながら、鬱屈ゆえにその姿を肯定的に描いている、いやぁな感じです。

 しかしこれらは、私小説だとか無頼派だとかを珍重してきたわが国近代文学の系譜を、正統的に踏襲したものと言えるように思います。
 そのために、3作品ともが、突飛なうようでいて、どこかで読んだような既視感に襲われ、もうひとつ楽しめません。

 私は吉田修一の作品を好んでいますが、このような描き方は、なんだかやっつけ仕事のようで好みません。
 
 まぁ、弘法も筆のあやまりということにしておきましょう。

熱帯魚 (文春文庫)
吉田 修一
文藝春秋


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