先般読んで非常な感銘を受けた「ハサミ男」の作者、殊能将之の本格ミステリ「鏡の中は日曜日」を読みました。
これを読んで、私は懐かしい気分になりました。
小学校高学年の頃、学校の図書室にあったシャーロック・ホームズシリーズや、エラリー・クイーン、アガサ・クリスティのミステリを熱心に読んでいたからです。
その後私は本格ミステリに興味を失い、読むことがなくなりました。
「ハサミ男」はどちらかというとホラー・サスペンスの趣があり、興味深く読んだので、同じ作者の小説を読んだわけです。
フランスの詩や本邦の短歌、考古学に知識が豊富なことがよく分かる、教養のある作家です。
それだけに文章にも品があってしかも読みやすい。
夢中で読んで、文庫本560ページの長編を一気に読んでしまいました。
しかし、私はやはり本格ミステリに興味を失っているようです。
要するに、面白いだけなのです。
明日には内容をわすれてしまいそうです。