ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

縁と欲

2013年10月04日 | その他

  縁は異なもの味なもの、と申します。

 人と人との縁、まして男女の縁などというもの、ほとんど偶然の塊のように感じます。

 私は縁あって、同居人と平成10年に一緒になり、もう15年も一緒に暮らしています。

 子どもが出来ないなか、良好な関係性を保っています。

 しかし、あっちの縁を選んだらどうだっただろうと言う失った縁が、5、6件くらいあります。

 それらの女性たち、今となっては単なる飲み友達になり、彼女たちもそれぞれに男とくっつきましたが、成就しなかったがゆえの淡い恋心は未だに残り、それが飲み友達としての関係性を維持せしめているものと思います。

 なかには、すでに婚約していた私に向かって、「もっと早くとびおさんに出会いたかった」と涙を流した女性もいました。

 じつは、同居人には言えませんが、私も同じ気持ちでした。
 
 しかし、糞真面目な私は、酒杯を目の前に涙を流す、私にとっても愛おしい女性に対して、道を説く他方法がなかったのです。

 無粋な話ですねぇ。
 
 柔肌の 熱き血潮に 触れもみで 寂しからずや 道を説く君

 という与謝野晶子の歌は、誰もが知っていると思います。

 この歌に接すると、過去のあまたの女性との肉体的接触を、激しく思い出します。

 張りきった肌、女性特有の香り、その肌の感触、女性のあえぎ、それらすべてが、不能となった今、懐かしく、さらには情欲をもって思い出します。

 しかし、40代半ばにして、私はそういった世界から遠ざからなければならなくなりました。

 何しろ、ヴァイアグラでも飲まないかぎり、物の役に立たないのです。

 ヴァイアグラを飲めば、役には立ちますが、それは下半身だけのことで、私の情欲を刺激する作用はありません。

 そこまでして、女性と肉体的接触を持ちたいとは、もはや思いません。

 今の私と同居人は、性器を失ったキューピットちゃんのようなものです。

 同居人は、性交が無くとも、ただ黙って抱きしめてくれればそれで十分だと、可愛いことを言ってくれちゃいます。

 それを聞いた私は、ただひたすら、同居人を抱きしめつつ、過去の他の女性との接触を思い出す愚か者なのです。

 欲望と言うものは、食欲であれ、性欲であれ、完全に満たすことは無いのだと思います。
 
 美食であれば、もっと旨い食い物があるのではと思い、性欲であれば、もっと体が合う女がいるのではないかと思います。

 しかし、おそらく、そういう物は存在し得ないのだと思います。

 旨い物にも、満足できる女にも、限りがあります。

 そうであってみれば、欲望追求の空しさを知り、欲望を断ち切ることこそ、幸福への道に違いないと思うのです。

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反撃

2013年10月04日 | 社会・政治

 勇敢な女性もいたものです。
 しかも10代。

 昨夜、都内の路上をジョギング中、中年の男に襲われ、強姦されそうになったところ、男が持っていたナイフを奪って男を刺し、警察に逃げ込んだそうです。

 警察が現場に駆け付けたところ、男は大量に出血して意識不明。
 病院に搬送されましたが、死亡したとのこと。
 男は被疑者死亡のまま強姦未遂罪で起訴されたそうです。

 女性には正当防衛が認められる方向で、お咎めなし。

 そりゃそうですよねぇ。

 それにしたって、犯人が亡くなったのは後味が悪いでしょう。
 今後の女性の精神的ダメージが心配です。

 この女性の行動がどれほど勇気あるものか、よく分かります。

 と言うのも、私は高校生の頃、たびたび痴漢にあっており、そのたびに恐怖のあまり体が固まって抵抗することも声を上げることも出来なかったからです。

 私は当時満員電車で都心部の高校に通っており、おそらくゲイと思われる中年男から痴漢の被害にあいました。

 女子高生好きの男がいるのと同様、男子高校生好きというか、学生服に萌えるゲイが多数存在するものと思われます。

 電車の他に、映画館でも痴漢にあったことがあります。

 自分では意識していませんでしたが、ゲイ受けのする美少年だったんでしょうねぇ。
 
 しかし、私は耽美的な同性愛の文学作品や映画を好む変態でありながら、実際の性欲はいたってノーマルで、そのことに劣等感を抱いたことすらあります。

 今も同性愛の映画をよく観ます。

 「モーリス」・「御法度」・「二十歳の微熱」・「ブエノスアイレス」・「覇王別姫」・「ブローク・バック・マウンテン」・「太陽と月に背いて」などなど。

モーリス HDニューマスター版 [DVD]
ヒュー・グラント,ジェームズ・ウィルビー,ルパート・グレイブス,ベン・キングスレー,キティ・アルドリッジ
Happinet(SB)(D)

 

あの頃映画 「御法度 GOHATTO」 [DVD]
ビートたけし,松田龍平,伊武雅刀,神田うの,吉行和子
SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)

 

二十才の微熱 [DVD]
橋口亮輔
ポニーキャニオン

 

ブエノスアイレス ブエノスアイレス 摂氏零度【ツインパック】 [DVD]
トニー・レオン,レスリー・チャン,チャン・チェン,ウォン・カーウァイ
角川書店



さらば、わが愛 覇王別姫 [DVD]
レスリー・チャン,チャン・フォンイー,コン・リー
角川書店



ブロークバック・マウンテン プレミアム・エディション [DVD]
ヒース・レジャー,ジェイク・ギレンホール,アン・ハサウェイ,ミシェル・ウィリアムズ,ランディ・クエイド
ジェネオン エンタテインメント

 

太陽と月に背いて [DVD]
レオナルド・ディカプリオ,デビッド・シューリス,ロマーヌ・ボーランジェ
パイオニアLDC



 印象に残った作品だけでも、いくつも思い起こされます。

 同性愛の映画というのは、題材だけで悲恋につながるような所があり、男女間の恋愛映画よりも、自然に深味が出てしまうという特徴があるように思います。

 それはともかく。


 私が怖れるのは、性的虐待を受けた女性に多く見られるように、被害女性が男性不信に陥り、男性との接触が出来なくなってしまうこと。

 強姦や性的虐待の怖ろしさは、通常の犯罪被害以上に、精神的外傷が大きく、長く苦しめられる点にありましょう。

 被害女性には、まともな良い男性と出会って普通の恋を楽しめる心の余裕を持ち続けてほしいものです。

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破滅への恋情 「あさきゆめみしー八百屋お七異聞ー」

2013年10月04日 | その他

 昨夜、つけるともなくテレビをつけたら、妙な感じがする時代劇を放送していて、思わず見入ってしまいました。
 なるほど、最後のテロップを見たら、脚本ジェームス三木とあります。
 この人のドラマ、面白いのですよねぇ。

 ドラマは「あさきゆめみしー八百屋お七異聞ー」というタイトルであることも知りました。

 八百屋お七と言えば井原西鶴の「好色五人女」に取り上げられた実在の少女ですね。

新版 好色五人女 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
井原 西鶴,訳:谷脇 理史
角川学芸出版

 

好色五人女―マンガ日本の古典〈24〉 (中公文庫)
牧 美也子
中央公論新社

 お七の家は大火で焼け出され、お七は親とともにお寺に避難。
 寺での避難生活のなかでお七は寺小姓生田庄之介と恋に落ちます。
 やがて店が建て直され、お七一家は寺を引き払いますが、お七庄之介への想いは募るばかり。
 そこでもう一度自宅が燃えれば、また庄之介がいる寺で暮らすことができると考え、庄之介に会いたい一心で自宅に放火してしまいます。
 火はすぐに消し止められましたが、お七は放火の罪で捕縛されて火あぶりに処された、と伝えられます。



 ドラマでは、少々(とう)が立っていますが前田敦子お七を演じて、不気味な迫力があります。

 最近、「クロユリ団地」というホラー映画に主演していて、なかなか芸達者だなと、思いました。

クロユリ団地 スタンダード・エディション [DVD]
前田敦子,成宮寛貴,勝村政信,田中泰生,高橋昌也
Happinet(SB)(D)

 

クロユリ団地 スタンダード・エディション [Blu-ray]
前田敦子,成宮寛貴,勝村政信,田中泰生,高橋昌也
Happinet(SB)(D)


 AKB48のセンターという過去の名声がこれからの芸能活動にマイナスに働くのではないかと思っていましたが、女優としてやっていけそうです。

 世の中に狂気染みた恋心を抱く者が存在することは知っています。

 また、最も早い時期では小学五年生、最近では37歳の時に、それを私にぶつけてきた女性がいて、私は黙殺しました。

 子供の頃はどうしてよいかわからなかったため、37歳の時は相手が一回りも下だったために相手にする気が起きなかったのと、同居人との安定した暮らしを壊したくなかったためです。

 私には狂気じみた強い恋情というものが、実感として理解できません。

 もちろん、薄い恋心を抱くことはありますが、破滅に向かって突き進むような強烈な恋心がどこから生まれるのか、それはどういうものなのか、全くその心性が分からないのです。

 周りを見渡すと、激しい恋愛の末結婚した夫婦よりも、適当なところで手を打った感じが漂う夫婦のほうが上手く行っているように感じます。

 多分激しすぎる恋情が結婚によって急速に冷めたり、あるいは恋情が続いている場合には嫉妬心となって相手を疑ってみたりするのではないかと推測します。

 そういう意味では、最初から条件闘争のようなところがあるお見合い結婚が一番良さそうです。
 相手に期待しない分、失望もしないでしょうから。

 恋に限らず、怒り、憎しみ、悲しみなど、人間が持つ情があまりに強すぎると、それは凄まじい力を発揮するように感じます。

 私はそうした人間の激しい情に最も強い恐怖を覚えます。

 だからこそ教育においては、常に冷静でいられるような人間を作るべく、努力すべきでしょう。

 さて肝腎のドラマ、来週の木曜日、私は観ちゃうんでしょうかねぇ。

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