ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

妖怪怪異

2010年07月22日 | 思想・学問

 梅雨があけた途端、例年にない熱波がやってきました。
 
  駆け回るのが大好きな小犬でさえ、猫のようにだらりんとしています。

 日本は昔から夏が過酷。日本家屋も夏をしのぎやすいようにできています。
 風鈴や金魚など、涼しくなるはずがないものにさえ、涼を求めようとしてきました。
 その代表格が、怪談ですね。類似のものでは、肝試しにお化け屋敷。
 怖くてひやっとする、というのですから、悠長なものです。

 私は、幼い頃から怖い話が大好きで、不惑を迎えてなお、その悪癖は変わりません。
 なにしろ7歳のときに初めて作ったお話が、「ドラキュラの歯はない」です。
 その後も怖い話をよく作りました。
 
  小学校の頃は、夏休みになると、「あなたの知らない世界」という安いテレビ番組を観ては、震えあがったものです。
 幼年期から少年期にかけての私にとって、物の怪や幽霊は、実在するものでした。

 古くは、あらゆる日本人にとって、妖怪や霊的存在は実在でした。
 凶事が起きれば荒魂(あらみたま)を鎮めるために祈り、和魂(にぎみたま)を招魂して豊作を祈りました。
 不遇のうちに亡くなった霊を恐れ、天満宮やら首塚やらを祀って、これを鎮めようともしました。
 雨乞いに病気平癒、陰陽道に古神道。
 いずれも大の大人が、大真面目に、ちょうど今のテレビコメンテーターが社会を解説するように、祈りもし、恐れもしたのです。時には禍々しい呪いも行われたことでしょう。

 現代では、これらは迷信とされ、真面目に語られることはなくなりました。
 しかし、我がくにびとが大切にしてきたその精神文化は、今も脈々と生き続けています。
 都市伝説であったり、占いであったり、私の大好きなホラー映画や怪奇文学のなかで。

 日本ではわずかな民俗学者が妖怪の研究をしています。

 国際日本文化研究センターの小松和彦という学者は、堅いものから読みやすいものまで、物の怪や怪異を面白く解説しています。

 
また、怪異・妖怪伝承データベースを作成、公表しています。

 なかなか興味深いデータベースです。ご覧になられてはいかが?

http://www.nichibun.ac.jp/youkaidb/index.html ⇒怪異・妖怪伝承データベースです。

京都魔界案内―出かけよう、「発見の旅」へ (知恵の森文庫)
小松 和彦
光文社


日本魔界案内―とびきりの「聖地・異界」を巡る (知恵の森文庫)
小松 和彦
光文社

 

妖怪文化入門
小松 和彦
せりか書房

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ヘル・ドライブ

2010年07月22日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 DVDで「ヘル・ドライブ」を観ました。
 とらえどころのないホラーでした。

 深夜帰宅途中に、若い女が運転する四駆が、何者かを避けようとして、歩道に乗り上げます。帰宅してバンパーを見ると、血まみれの男が乗り上げていました。男は女を襲い、女は近くにあったゴルフクラブで男を撲り、森に埋めてしまいます。しかし男は死んでおらず、女に復讐を開始する、というストーリーです。

 怖くないし、カメラワークも恐怖シーンも平凡だし、駄作と言っていいでしょうね。
 
 一つ気になったことは、男が躁鬱病だということです。
 躁鬱病なのに薬を飲むことを怠ったことが、凶暴な事件を起こしたきっかけ、というふうにほのめかされています。

 私は、躁鬱病を患って障害者自立支援法の適用を受け、病状は「重度かつ継続」と認定されています。
 躁状態のときに攻撃的になったことはありますが、せいぜい八つ当たり程度です。残虐な事件を起こした躁鬱病患者というのは聞いたことがありません。
 なんだか差別的。

 躁鬱病に限らず、精神疾患の患者が重大事件を起こす比率は、むしろ健常者より低いくらいです。

 キチガイに刃物、と言いますが、精神病患者に刃物を持たせたら、他人を襲うより自傷行為に走る者のほうがはるかに多いでしょう。

 この映画、やや不愉快。

ヘル・ドライブ [DVD]
ローラ・ブレッケンリッジ,ケヴィン・コリガン,クリストファー・シャンド
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン




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