ジョン・トーランドの名著「アドルフ・ヒトラー」を読みました。
この独裁者に関する書物は山のようにありますが、これがもっとも充実していて、客観的なのではないかと思います。
しかし私は、この冷静なアメリカ人の手による伝記からも、ナチへの秘かな憧れを感じ取りました。
もちろん、ナチズムの犯罪は別にして、戦国武将に憧れるように、ナチズムに憧れたところで、ちっともおかしなことではありません。あのスタイリッシュなSSの制服や、深夜、篝火をたいての党大会など、私も美しいと思います。
なぜ、激しく高揚した肉体と精神の運動は、破滅に向かっていくのでしょう。しかもそれは、道徳を超越した犯罪行為に結びつきます。ポル・ポトしかり。連合赤軍しかり。
私は精神を病む前から、こういった運動に強いシンパシーを感じてきました。
なにしろ民主主義は面倒くさくて、時間がかかって、格好悪いですから。
私はしかし、群れること、集団の利益のために個を殺すことが、何より嫌いなのです。
アドルフ・ヒトラー 1 (集英社文庫) | |
ジョン・トーランド,永井 淳 | |
集英社 |
アドルフ・ヒトラー 2 (集英社文庫) | |
永井 淳 | |
集英社 |
アドルフ・ヒトラー 3 (集英社文庫) | |
永井 淳 | |
集英社 |
アドルフ・ヒトラー 4 (集英社文庫) | |
永井 淳 | |
集英社 |
わが闘争(上)―民族主義的世界観(角川文庫) | |
平野 一郎,将積 茂 | |
角川書店 |
わが闘争(下)―国家社会主義運動(角川文庫) | |
平野 一郎,将積 茂 | |
角川書店 |