ニュースで、中学2年生の少女が自殺した、という報道を見ました。
この世は仮の宿、与えられた人生を全うしたなら、静に死を迎えるべきでしょう。
しかし、自殺とは。
もう十年も前になりますか。職場の三つ下の後輩が、自殺しました。ある日突然無断欠勤し、翌日、静岡の旅館で亡くなっていた、とのことです。彼は私の仕事を引き継いだ後任であったので、その忙しさ、しんどさはよく分かります。それを誰にも相談せず、一人、従容として死についたのは、おそらく、強いうつ状態にあったものと思われます。そうでなければ、自らの命を絶つことなど、不可能なことです。
うつ病は、泣き病とか、死にたい病とか言われます。のべつ泣いては、死を念慮するのです。私とても、そうでした。
二年前、統合失調症の友人を失いました。
彼は私と同い年で、月に一度の精神病の自助グループで議論を交わし、時には酒を飲んでカラオケを歌った仲間でした。
彼は趣味のタイ旅行から帰ると、人が違ったように変貌をとげ、措置入院させられたのでした。そして、三ヶ月、彼の訃報に接しました。
彼に何があったのか、知りません。特に統合失調症は、私のよく知るところではありません。自殺なのか、過大な治療行為のせいなのか、知りません。しかし私は、自殺ではなかったかと、疑っています。
どちらにしても、自死は悪だということです。
なぜかはわかりません。
しかし、殺人が悪だと感じるのと同様、自殺は悪だと言わざるを得ません。
私は、甘美な死の誘惑に耐えながら、生きるほかありません。
なんとも面倒なことです。