ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

花のした

2010年03月31日 | 文学

 桜が咲きました。
 私は桜を見ると、憂鬱になります。

 長いこと会計の仕事をしていて、桜の時期は決算と重なり、過重な労働を強いられたためでしょうか。桜を見ると、条件反射のように、山のような伝票や、深夜残業、それに犯罪すれすれ、というか犯罪そのもののような、日付の改ざんなどの処理を思い出すのです。もっとも、それら犯罪行為は、日本国中のお役所で日常的に行われていることでもあります。それはむしろ、犯罪というより法制度の欠陥と言ったほうがよいでしょう。

 しかし、今は、ひま。
 職業訓練には通っていますが、温水プールで戯れているようなもの。荒波を乗り越えて海で泳ぐのとはわけが違います。

 この物狂おしい春を、やり過ごさなくてはなりません。
 
 
ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ 

 有名な西行法師の歌です。この歌ほど、多くの日本人の心をとらえたものはありますまい。
 桜の下には死体が埋まっている、と言ったのは梶井基次郎でしたか。
 春と花には、死のにおいがつきまとっています。
 むしろ精神病者にはお似合いの季節かもしれません。


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