ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

お雛様

2010年03月02日 | 文学

 明日は雛祭りですね。まだ寒いですが、春の気配が感じられます。
 実家では、妹がいたため、毎年豪華な雛飾りでいわっていました。
 我が家のお雛様は、ぺこちゃんとぽこちゃんです。これはこれで、味わいがあります。

  雛流し 松籟(しょうらい )これを悼みけり

 松籟は松にふく風と、その音です。
 もともとは川に流す紙製のお雛様だったそうで、雛祭りの終わりを詠んだ安住敦の句です。なんとなく春の物憂さが出ていて、秀句ですね。

 不産女(うまずめ)の 雛かしづくや 哀れなる

 嵐雪の句です。これはお目出度いお雛様の句としてはふさわしくありませんが、子を授かることのなかった女と美しいお雛様との対比が見事です。

 お雛様の句は、格調高い、堂々たるものが多いですが、私は、上記2句のような、もの悲しい感じの句こそ、春の愁いをたたえて、味わい深いものと思います。


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