ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

氷点下の微生物さんたち

2018-02-02 09:35:47 | 農業

 ボカシ、見るのおっかねぇ。2度も空振りしてるからねぇ、今度もダメなら、三振、バッター交代だぜ。

 覗きに行くとしても、まずは、除雪。旧鶏小屋までの道を切り開き、次いで屋根にうず高く積もった雪を落とさにゃならん。どう見たって、つぶれる寸前だもの。中で作業してる最中に崩壊!なんてなったら、そのままお陀仏だろうから。

 どうにかとっかかりの準備終えて、中に入る。四方八方から吹き込んだ雪で真っ白な鶏舎部分を網戸越しに覗く。おおーっ!ボカシの上は雪がない!ってことは、発酵が進んでるってことじゃないか!

 どりゃどりゃどりゃ!覆いのビニールをはぐってぇぇぇ、全面菌糸に覆われ、とは行かないが、ところどころ微生物君の頑張っている様子が見える。よし、よし、よしっ!

 スコップで掘り起こせば、一面に立ち上る湯気!いいねぇ、この氷点下の寒さもなんのその、しっかり発酵し始めてくれてたんだ。香ばしい米ぬかの発酵臭が、辺りを包む。さっそく、膝をついて菌糸の塊をほぐして行く。栄養分の米ぬかに縦横に入り込んで石のように固い。

 これ、そのままにすると、本当に割れなくなって、サラサラのボカシ肥にならなくなる。一つ一つ、力任せに割って行く。中は、ご覧の通り、

 灰のようだが、これが菌糸。中には、

 こんな赤いものまで育ってる。きっとたくさんの微生物たちが押し合いへし合いしながら、子孫繁栄活動を展開してるんだろう。その熱気が膝とつま先をじんわりと温める。温熱療法か?砂風呂か?気持ちいいねえ、外は一面雪景色なのに、このほっかほかの暖かさ!塊をほぐす指先も寒さにしびれることなし。真冬にこんな優雅な仕事ができるなんて、幸せぇぇぇ!

 1時間近くかけて、丁寧に砕いて天地返しをして、第1回目の切り返し作業終了!よかった、発酵が始まっちまえば、あとは微生物君たちの活力に任せればいい。10日に一度、あと4回ほど切り返しをしてやれば、お役立ちのボカシ肥料が出来上がる。これで、大きな肩の荷が降りた。

 家に戻って、防寒着を脱ぐ。うっ?臭ぇぞ、発酵の臭いか?つい、調子に乗って、膝を押しつけ過ぎたか?作業中なら馥郁たる香りでも、部屋に入れば、やっぱり異臭だ、こりゃたまらんわ!

 

コメント
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