ステージおきたま

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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

今日は宣伝。二兎社公演『ザ・空気』

2017-02-27 09:36:01 | 演劇

 他の劇団のお先棒担ぐなんて、お初だよ。二兎社公演『ザ・空気』!関りあるってわけじゃない。頼まれたってわけでもない。まして、袖の下、なんてこたぁ、さらさらない。当ったり前だ。このブログの記事見て、行く人なんて一人二人いるかどうか。

 事前に見て良かったから、お勧めよ、ってことでもない。見てさえいない。それでも、書く。この舞台、きっと面白いものになるって予感がぱたぱたと頭の中で閃き続けてるから。

 プラザで公演した最近の2作、『鴎外の怪談』と『書く女』、興味深かったけど、辛かった。前者『鴎外の怪談』からは、大逆事件にぶち当たって、格闘しつつも打ち負かされていく当時の文筆家たちの呻きが聞こえてきたし、それは、この先近未来のこの国の姿かもしれないと感じさせられて、腹の底にずしりと重石を放り込まれたと感じた。演劇界での評価も高く、幾つかの賞を受賞してもいる。でも、いかんせん、深く切り込み過ぎた。プログラムとは別刷りの用語紹介なんかもあったが、まっ、解説や注釈見ながら芝居見るてのは、ちょっとなぁ、ってことで、プラザでも客の入りは菜の花座以下、残念な結果だった。『書く女』は樋口一葉、うーん、これまた一葉にさほど興味のない人間には袋小路だった。正直、飽きた。

 実は、二兎社を切りまわす永井愛さん、この人のお陰なんだなぁ、今僕が演劇の隅っこでうじうじしてられるのも。『見よ、飛行機の高く飛べるを』なんか、置農演劇部で2回、もちろん別キャストで、も公演しちまったし、菜の花座でも『ら抜きの殺意』を上演した。そんな作品に出合えて、今でも感謝の気持ちが沸々と湧き上がってくるほどだ。

 永井愛さんに惹かれた理由は、まず一番に笑い、次に社会性、そして、深、わかりやすさ、てことかな。『ら抜きの殺意』など、ど素人の我々が演じても大いに笑いで盛り上がったくらいだし、東京で見た『片づけられない女たち』など、演芸場なみの大爆笑の連続だった。笑わせつつも今の時代を鋭く切り取る、そんな作劇に憧れ続けているんだ。

 でも、最近2作について言うと、社会性、歴史性の側に大きく傾いてしまったかな、それが残念、と思っていた。しかし、今回の『ザ・空気』は違いそうな予感がするんだ。君が代問題を扱った『歌わせたい男たち』やリストラの苦難を描いた『こんにちは、母さん』のような軽妙なバランスを取り戻してくれていそうな気がする。だから、こうしてお勧めを書いている。

 二兎社、永井愛さん、この人たちの舞台がそっぽ向かれてるなんて、川西の、置賜の文化性、社会批判性の低さそのものだ。金は無くても知性は髙く、仕事は厳しくとも感性は鋭い、そんな地方でありたいもんだって思うから、ぜひ、『ザ・空気』見に来ておごやえな。 

 

コメント
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