ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

秘伝着火剤、鋸屑灯油!

2017-01-09 10:36:26 | 暮らし

 石油ストーブとか電気ストーブとか使ってる人らにゃ想像もつかんだろうが、薪暮らしってのは、かなりの熟練を要するものなんだ。心地よいばかりじゃないぜ。丸太切り、薪割りの苦労もなかなかのもんだが、日々の点火作業て奴もかなり手強い相手なんだ。

 ほら、キャンプでの焚火とか思い出してくれよ。今どきの若い衆で、薪に一発点火できる奴なんてまずいないだろ。いや、それ以前、マッチだって擦れないんだから小学生なんかは。やれやれ、人間どこまで生きる力を失って行くもんだか!

 杉板とか古材の焚き付けなら、紙とか丸めて着果すれば、何度か失敗するうちには火が着く。でも、ストーブで燃やすぶっとい薪となると、そうは簡単に燃え着いてくれない。冬の朝、寒さの中で手こずるのがこの作業だ。面倒なら、夜、寝る前に薪を大量に放り込み、空気穴を絞って、朝までトロトロ燃やし続けるってこともできる。種火がしっかり残って、ここに薪を重ねればすぐに赤々と炎が広がる。でも、そんな贅沢なことはできない。乏しい薪を推し量りつつの暖房なんだから。

 ストーブの場合、まず奥に一本薪を横置きする。ここに燃えやすい焚き付けを立てかけ、その上に別の薪を重ねる。そう、屋根の棟木に垂木渡す要領、ったってわかんないか、要するに隙間作るってことだよ。下に突っ込んだ焚き付けに火を回すのには、紙なんかでもいいんだが、紙ってあっという間に燃え尽きてしまう。着果するまでかなりの量をつぎ込まなくちゃならなかったりする。

 そこでお役立ちが着火剤なんだ。最近じゃムサシとかコメリとかでも売ってる。固形アルコールのものと、圧縮したおが屑に油しみ込ませたものなんかがある。マッチやライターで簡単に火が着き、焚き付けが燃え始めるくらいまで火が持つ。これを使えば、ほぼ、失敗無し、でもないが、まあ、上手く行く。でも、毎日のことだろ、そんなもんに金使ってられないよ。

 て、ことで、我が家の着火剤は、これ。

 そう、薪切りした時に出た、鋸屑に灯油を掛けたもの。これをオイルの空き缶に作りだめしておく。使う時は、紙切れに取り、ここに焚き付けの使用済み割りばし、(何で割りばしが大量にあるのか?それは次回に)を乗せて、ぶっと薪の下に押し込み点火する。これで、ほぼ1回で着果完了となる。実に簡単!見事な廃物利用!

 実はこの方法、以前薪を買っていた朝日町の樵のおじさんから教わった。さすが、木で生活を立ててるだけに、身近なものを使い尽す工夫に精通してる。これも山暮らしの技の一つってことだな。こんな、ちょっとした工夫が暮らしを便利にする。それを思いつくのが、達人の証ってことだろう。便利と言えば、コンビニ、買うことしか思い浮かばない僕も今どき文化に毒されてるってことだよ。

 

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