blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

裏目を引き続ける人生

2023-01-20 22:13:30 | 日記
今年に入ってはや20日、我が現場の動きは至っておとなしい。
取り扱う物量は週によって前後はあるが、夏場の繁忙期とは比較にはならない。
週の後半にある大口の送り込みを首尾よく完了できれば金曜はほぼタダもらいとなる。
単発的に起こる作業を片づけたり、それでも時間があれば月曜火曜の大口対応で使う空箱を作ったりする。
週の終わりは冒険はせず、事故やケガをなるべく回避することも気持ちよく休みを迎えるためには必要なことだ。

二つの現場を抱える我が部署では、これまであまり人の入れ替えは行われていなかった。
それがここに来て唐突に「作業者の多能化」というお題目の下、私が今の現場からもうひとつの現場に移ることになった。
今の現場での経験も一年以上が経過し、あらかたのことは事細かな指示を受けることもなく整えられるようになり、しかしもうひとつの現場の仕事も知っておいて損なことは何一つないので、私自身が移ることに関しては何の抵抗もない。
部署全体としては高齢化が進んでいて、間もなく私が行く現場の複数名が年齢的なリミットが近づいているため、どうしてもひとりは移らなくてはいけなかった事情もある。

人の動きがからむ話だから、管理者たる社員としては折り入ってという形で全員集合の上で伝達があった。
それ自体は何の問題もないが、いたずらに「(正社員以外の)スタッフの多能化」ばかりを言い募るので、当然のごとくに「社員のレベルアップはどうなるんだ」との質問が飛んだ。

振り返れば昨年の夏場あたりから、正社員のレベルアップを名目に祝日の大口対応は社員だけでやらせてもらいたいとお願いがあり、しかしその数回の機会は見事なまでの段取りの悪さに加え、ある月は出荷されたはずのものが出荷されてなく後日現場から見つかるという信じられないような失態を演じている。
旗だけ掲げて、比較的ヒマな秋冬にレベルアップにつながる活動をしたのかと言えばそんな気配も毛頭なく、著しい低レベルから今の今まで一向に進歩は見られないままである。

そんな人間が上段から振りかぶって我々の多能化を求めてくるなど冗談もほどほどにしろと言いたくもなる。
他人にレベルアップを求めるより、まずは自分の担当現場ですら間に合わない能力を改善する方が先だろう。
自分たちの向上を当初掲げておいて何もしないまま他人の向上にすがるという、議論のすり替えも甚だしいことを平気でやれる人間が我が現場のリーダーということである。

当然の疑問が提示された中で、言葉の上では正社員のレベルアップも一応は約束されたので、必要以上に荒れることはなく話し合いは終わった。
もちろん、彼らの言葉や約束はこれまで幾度となく破られているので誰も本気で信じてなどいない。
それでも彼らとしては話し合いが何とか収まったことで「とりあえずの危機」は乗り越え安心したように見えた。

しかし、彼らのそんな青写真も絶対に実現しないことを私は知っている。
なぜなら、私が別現場に移るという計画がトリガーとなり、私と今一緒に動いてくれているもうひとりの作業スタッフが現場を去ることを心に決めてしまったからだ。

それを知ったら彼らはどうするか。
まず当人を必死で引き留めにかかるだろう。
それでもダメなら、今ある計画を白紙に戻して私が引き続き今の現場で続けてもらえないかと求めてくるだろう。
彼らにとって作業者と一緒になって汗をかくことはプライドが許さないところにもってきて、一緒に汗をかける能力すら持ち合わせていないので日々の現場を回すそもそもの自信がないからである。

もし彼らが求めてきても私は言われた通りに別現場に移ることを主張する。
違う現場の仕事も覚えたら自分がレベルアップできるのだから、行かされる感覚もなくむしろ行きたいくらいだ。
彼らは適当な言い訳をつけながら「やってくれる人間」を確保したいだけで、確保さえできれば後は知らん顔である。
だから彼らの自立を促す意味でも私が残ってはいけない。

彼らは今まで他人を頼り切って向上を怠り続けてきたので、今のままならどこかで破綻する。
実力を付けないまま仕事を続ければ、当然失敗続きになる。
失敗ばかりの毎日の中から何かをつかむ、彼らが進歩するにはそれしかない。
目の前の壁から逃げてばかりだから、何をやっても裏目を引き続ける、二分の一の確率すらことごとく外す人生になっているのだと思う。

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