blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

無力感

2009-02-18 20:28:44 | 日記
私もあと2日で今の職場を離れる。
長い雌伏の時を経て、ようやく「正社員」の座にありついたばかりなのに、あえてそれを手離す決意までしたのは、ひとえに「無力感」からであろう。

ようやく免許をもらって堂々と営業していいはずの旅館の現場にも「無力感」が充満している。
現場は現場で、日々やっている中でそれぞれの知恵やアイデアが出てきて、経営者にも伝えているらしいのだが、ほぼすべてが「無視」されているようだ。
社長にしてもK支配人にしても「聞く耳を持たない」ことでは、私の人生で出会った中でのナンバーワンとツーである。

このご時世、老舗といえども単価を下げて必死に努力している中で、「高級感」を売り物に強気な商売をしたいらしい。
それなら、強気な単価を出すなりの「至れり尽くせり」のサービスをする気があるのかといえば、それも心もとない。
少し前までは、温泉の配管の調子が悪いからといって温泉ではない水を沸かしてごまかしていたというから言葉もない。
新聞広告を出そうかという時に「ニセ温泉」などということでは、価格設定以前の問題でお話にならない。
詳しい人が入ったら一発でバレてしまうはずだ。

正式な免許をもらっても、その内実はウソとゴマカシが横行する薄汚い経営である。
さしずめ子供のママゴトと同じ、業に名を借りた「旅館ごっこ」である。
そんな中では、現場の不満、不安、無力感も致し方ないところであろう。

私は、開業までの段取りの中で日に日に汚くなる会社のやり口に嫌気し、ある日から突然現場に行かなくなった。
一社員としては勝手な行動だし、結果社内での居場所を失うことにもなった。
しかし、最近のニュースではないが、1人の人間として「ぶれなかった」ことは今となってはよかったと思う。
やるとなったら、法律もタテマエも何もないというところに尽くせるほどお人よしではない。

今さらあれこれ口出しすることもなく、ただ当たり前のことを当たり前にやってほしいと祈るのみだ。
経営者としての器もない人間が仕切る施設など、程なく破綻して地域から追われる運命となろう。
現場の人間の努力に思いを致すのに、今からでも遅すぎることはないのだが。

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