blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

割り切る

2023-10-13 19:45:30 | 日記
新しい環境に来て早いものでひと月半が過ぎた。
まだまだ現場そのものにも慣れず、私自身の技術の拙さもあって全てがうまく進む日は少ない。
モノをぶつけない壊さないという最低限の目標だけは達しているが、周囲の要求は日に日に厳しくなり、ほんの少しの不足があたかも大犯罪かのような言われ方をされ、仕事をしているのに何か悪いことをしているような気にさせられる。
今日まで文字通り夢中で走って来たが、あまりよくない意味で肩の力が抜けたような感覚に今はなっている。

落ち込んでいる時間があるかと言えばそう甘くもなく、同じ班で回っている某ベテラン氏が、事の状況によっては長期離脱の可能性も出てきた。
話の上では増員を理由に今の環境に縁を受けたこともあるし、ベテラン氏の件にしても本人が昨日今日来たばかりの私にも不安を漏らすほどのことで、何を責めることもできない。
氏が担っていた仕事の一部は私が引き継いでやることになるかもしれないが、非常に高いスキルが要求される場面もあるだけに私は私で不安が高まっている。

何かを考える余裕もなく今日までやってきたが、時間が経ってオボロゲながら見えてきたこともある。
今の現場は先に作業の指示だけが来て、作業の意味や中身の説明は後回しになることが多い。
早番で通常より一時間早く来て、指示されてやっていた作業は実はかなり急を要する出荷の準備であったと通常の出社時間である朝礼の時点で初めて分かるといった具合だ。

作業や現場に関する情報は、どんな立場の人にも等しくできれば事前に行き渡るのがもちろんよいとは思うが、現場の中心選手だけが情報を独占して意図的かどうかはともかくも末端の人間は何も知らないケースが多いというのは組織としてはいかがなものかと感じる。
何も知らせないで作業だけさせ、不備があったらドヤしつける(職場で怒鳴る人は幸いほんの一部だが…)というのでは、末端の作業者はやる気をなくしてしまう。

情報を独占すれば末端の人間が現場に完全に習熟することは長期的にも難しくなり、言葉は悪いが中心選手だけでいかようにでも現場を操作支配することができる。
毎日夕方にはその日最後の大仕事としての大量出荷が待っているが、何をどれだけ出すかといった数字的な部分は中心選手にしか知らされず、末端の社員はそこに金魚のフンのようについて行って言われるままの仕事をするしかない。
手元に数字がない末端は目の前の作業が間違っているのかどうかも分からないし、よけいな事を言えばあからさまに不機嫌になる中心選手もいるため、小勢の現場ながらモノが言いやすい雰囲気とは残念ながら言い難い。
中心選手個々が末端の人間のレベルアップを心からは望まず、情報の独占によって末端をタダの作業者に追いやっている現状は、古参選手が今まで自分たちで作り上げてきた空気感の中で日々の仕事がしたいといういささか身勝手な願望を半ばシステム化して実現していることになり、私自身が他の環境でも数多く目撃してきたものと大して変わりがないことになる。

会社や組織を問わず、同じ部署で働くものどうしがギスギスしないことはまずないと言い切っていい。
なぜなら同じ部署にいる人間どうしはいやおうにも比較の対象になるからだ。
我が社は倉庫メンバーに加えて大型のドライバーさんがいるが、お互いが直接のライバルにはならないからけっこう遠慮のない話ができる。
逆に、人事異動でもあって今まで親しく話せていたドライバーさんが倉庫のメンバーになったらそれまでのようにはいかないかもしれないのだ。

ステージで丁々発止の掛け合いを見せる漫才コンビであっても、ひとたび幕の裏に回れば言葉さえ交わさない例も少なくないという。
それほどまでに、同じ仕事をする人間の集まり、その関係性というのはそれ自体危険なものである、そもそもうまくいくものではない、という認識は持っていていいのだと思う。


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