blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

自由って

2016-07-20 21:33:12 | 日記
7月14日、フランスのニースで革命記念日を祝う花火大会に大型トラックが突っ込んで84人が死亡した。
劇場が襲われた時は100人以上、一枚の風刺画をめぐって新聞社が襲撃された時は10数人が犠牲になった。
相次ぐテロに見舞われているフランスでは、非常事態宣言が来年の1月末まで延長されることになった。

フランスは自由・博愛・平等を国是とし、国旗の三色にそれらを明確に表現してもいる。
市民自ら王制に立ち向かってこれを倒し共和制を確立した歴史を持つ国として、自由への希求は当然ながら強い。
権利意識の高さが日常的なデモやストライキに発展するのはご愛嬌、しかしそんな国でも非常事態宣言のもとでは市民生活に相応の制限が加えられていることは想像に難くない。
リベラルと言われるオランド大統領にしてイザという時にはこうした決断をためらいもなくやるし、主権国家として当然のことでもあろう。

世の中にはいまだに独裁など強権的な体制の国も多くあり、内戦が起きたり深刻な人権侵害が行われたりしている。
我が国は現在、法の支配や言論の自由などの価値観が確立され、有色人種の国では唯一G7に入っている。
全世界に200程度の国や地域がある中の7つに先進国として名を連ねているのも、経済力を持ち自由が保障された国だからだ。
時の為政者をどれだけ痛烈に批判しても牢屋に入れられることはないし、他国を利するような言動をしても罰せられることもない。(外患誘致罪は死刑になるが)
我が国は何でも言えて何でもできる。
そんな国に生まれて人生を送ることは決して当たり前ではなく大変ありがたいことと思わなくてはならない。

ただ、我が国もいずれ他国や過激派の脅威が迫るとか、再度の大災害ということにでもなれば、今のフランスのように市民生活での自由が一部制限されることになるかもしれない。
そういう事態になった時に権利権利と騒ぎ出す集団は必ずいるわけだが、全体的には時代にそぐわない部分も多くなった現行憲法でさえ「公共の福祉」という概念を持ち、権利の濫用を戒めている。
米国人が一週間で作った憲法ながら、状況によっては公が優先される事態もあり得ることはキチンと明文化しているのである。

そう思うと、自由を10与えられたら10すべて消費しなければ損、という考え方は必ずしも賢明とは言えないし、もっとキツい表現をすれば子供じみている。
私は会社員だし、体のこととはいえ昨年長く休んだ反省もあって、元気になれた今、本当にやむをえない時以外は会社に出たい気持ちが強い。
あらかじめ決まったスケジュールを眺めながら、会社をなるべく空けないで済む日程を何とかひねり出していろいろな経験につなげるからこそ達成後の満足感も強まる。
公私のバランスを取るため、時には10の自由も7か8の消費に抑える我慢が効くのが大人というものだろうし、少なくとも自分はそうありたいと思う。
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