blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

塀の高い場所で考えたこと

2015-09-06 22:24:48 | 休日
写真だけではすぐにどんな場所か分からないような撮り方をしました。
ヒントはやたらに高く分厚いコンクリートの塀、塀といえば…そう刑務所です。
この週末は、富山刑務所で「富山矯正展」という催しがありました。
富山はもちろん全国の刑務所で作られている刑務作業品の展示即売会で、毎年多くの来客があるようです。

私は土曜の昼間、初めて足を運んでみました。
駐車場と会場の境目に撮影禁止の看板があったので中の写真はありませんが、普通のバザール会場のように見えました。
売り場があるのは当然「塀の中」ではなく、事務所前の広場や武道場の中などでした。
私のような不器用な人間では何十年経っても追いつけない繊細で丁寧なつくりの製品ばかりでした。
もともと手先に覚えがあったのか、服役中に製作にやりがいを感じるようになったのかは分かりませんが、ただただ感心するばかりでした。

所内での更生や社会復帰、一般的マナーなどに関する啓発活動も掲示物で紹介されていました。
受刑者の、やがて来る出所の日以後の暮らしが少しでもいいものであるように地道な努力が行われていることを知りました。
犯してしまった罪の償いとして服役しているのは事実としても、服役者は決して悪人ではなく罪を償い社会復帰のために必死で前に進もうとしている人たちであり、職員の皆さんは日々彼らを必死で支えていることを数々の展示品が訴えているようでした。
わが国は法治国家で、罪を償えばもう一般人です。
過去の傷に必ずしも寛容でないわが国の現状ですが、本当に更生した人が先入観なく受け入れられる社会になるといいですね。

復帰、という話ですが、私の今後の行き先がようやく決まりました。
昨年秋からの担当では、外部的なストレス要因は確かにありました。
しかし、どんな理由があろうと、周囲になじめず結果的に会社を長く離れたことは自らの失敗でもあります。
大きな失敗の後、先が見えない不安、会社に見捨てられるのではないかという思いを何度抱えたか分かりません。
体は回復しても気持ち的にはつらい時期が長かったのですが、最近になり新天地での再スタートを切るチャンスを与えられてホッとしているところです。

受刑者が出所する時、二度と刑務所には戻らないと誓うように、私は二度と同じ原因で長く休むことだけはしてはいけません。
能力と希望をくんで新しい環境を用意してもらったので、まずは環境に少しでも早くなじむことを目指します。
仕事に自信をつけて少しでも恩返ししていって、せめて終わりの3ヶ月だけでもいい年だったなと言える2015年になればと思います。

最新の画像もっと見る