blog Donbiki-Style

筆者:どんびき(地域によりカエルの意)

脳トレ

2022-06-15 22:14:05 | 日記
夏までのお約束で地域の高齢者の方にお手伝いをお願いしていることは再三書いている。
今は三名いらして、そのうちの一名は過去にも我が現場での経験がある。
経験者の方はそれまでの蓄積があるから、半年以上のブランクもものかわ何の特別な指導も必要なく初日から当たり前のように仕事をこなされており、周りがあれこれ言う必要はなく完全にお任せの状態である。
必要があれば初心者の指導も自らされるので、我々とすればただただありがたいの一言だ。
お年の方は私の親まではいかないがかなりの高齢でいらっしゃるのだが、スリムな体型ながら仕事をこなす上での体力的なものも比較的若い我々にも全く劣らない。
会社には自転車で往復し休日には山登りなどもされるというから、実年齢よりははるかに体は若いのだと思う。

さて、若いのは体ばかりではなく、頭脳の方も相当に柔軟で物の見方も鋭い。
午後の始まりには若い社員さんが作った資料についてミーティングを持ったが、的確な質問が次々飛び出して社員さんがたじたじになるほどだった。
とある日の昼休みには、他の高齢者諸氏と私に数字パズルのような問題を振ってこられたことがあった。
難易度としてはやさしいもので私は幸い早々に正解をお返しすることができたが、初心者で来ている他の二名はかなり長い時間悩み結局答えが出せなかった。
休み時間にも、新聞に付いてきているクロスワードやナンプレの類を眺めているので、いわゆる「脳トレ」にも熱心に取り組んでおられるのだろう。

氏に関しては、初心者の二名がなかなか形になってこないので会社の方が急遽お願いしたという経緯があるようで、文字通りの助っ人として復活登板をされたというわけだが、もうしないと思っていた仕事をすぐに思い出し初日から戦力として機能できるというのは、できそうでなかなかできることではないように思う。
日頃から頭も体も鍛える努力をしているからこそのことで、どうせ年をとるのなら氏のようになりたいとまで思わせるものがある。

氏に刺激を受けて、私も遅ればせながら脳トレを始めてみることにした。
脳トレ関連の書籍はコンビニにも並ぶくらいだから以前から底堅い需要があったと思われ、高齢化社会の中で一種のハヤリでもあると言える。
何でもハヤリだからという理由だけでは手を出さない性格の私だから今まではそういうものには無関心だった。
それが、ひとりの頭の切れる高齢者に出会ったことがきっかけで新しい体験に踏み出すことができた。
今はスマホで探せば無料のアプリがいくらでも見つかるから、目的に合ったものをいくつかダウンロードして楽しんでいる。
いくら心掛けていても衰えるものは衰えるが、自分で努力してなるべく衰えるのを遅らせることくらいはできるだろう。

年を取ると時間が経つのが早く感じられるのは、新しい経験が乏しくなるためという。
それなら、いくつからでもいいから新しいことを生活の中に取り入れていけば、時間の経過を遅く感じることはできなくても楽しむことくらいはできるかもしれない。
せっかく与えられている命だから、日々を悔いなく積み上げ「いちばん楽しいのは今」と言えるようでありたいと思う。