スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

チャームアスリープ&党派的と政治的

2020-03-26 19:24:19 | 名馬
 先週の京浜盃を勝ったブラヴールの母はチャームアスリープです。母の従姉にJRA賞で1991年の最優秀2歳牝馬,1992年の最優秀3歳牝馬と最優秀スプリンターを受賞したニシノフラワー
 2歳7月にデビューして新馬を勝利。2戦目は3着で南関東重賞初挑戦となったローレル賞は7着。3戦目が5着で東京2歳優駿牝馬は6着。成績からするとだいぶ格上のレースに出走していますが,それだけ素質を買われていたということでしょう。
 3歳初戦に予定していたレースは出走取消。事実上の初戦は3着で桜花賞トライアルは4着。3月に2勝目をあげると次戦は2着。賞金を積み上げて桜花賞に出走すると見事にこれを優勝しました。さらに東京プリンセス賞で南関東重賞2勝目をあげると関東オークスも制覇。南関東牝馬三冠を達成すると同時に重賞ウイナーとなりました。
 秋初戦はJRAに遠征し秋華賞トライアルのオープンに出走。これは大敗。ロジータ記念は負けられないメンバー構成でしたが2着に敗れました。ただ春の成績が素晴らしかったので,NARグランプリでは3歳最優秀馬と最優秀牝馬を同時に受賞しました。
 4歳初戦はマリーンカップで12着。しらさぎ賞が6着で大井記念は8着。スパーキングレディーカップも11着と,1年前からすると考えられないような戦績。
 暮れのオープンで復帰して8着。5歳になってTCK女王盃が8着でエンプレス杯は9着。最盛期の輝きを取り戻すことなく,競走生活を終えました。
 3歳クラシックシーズンを迎える頃に急激に上昇したのはブラヴールと似ています。ただ輝きがそのシーズンだけであったのは,ブラヴールにとってもやや不安な材料です。

 たとえばある人間がいて,その人間がある特定の政党を熱烈に支持していると仮定します。僕はこの人間のその行動を,政治的であるとは判断しますが,これだけでこの人間が党派的な人間であるとはみなしません。これはその政党がどのような政党であったとしても同じです。政党を熱狂的に支持するという行為を政治的でないということは僕にとっては不可能です。しかしその人間が支持している政党がどのような政党であったとしても,その人間はその行為によって党派的であるとは僕はいいません。それが民族主義的な極右政党であれ,また特定の宗教を信じる集団による宗教政党であれ,あるいは共産党であれ同様です。僕はどのような政党であっても,その政党を支持しあるいはその政党の党籍を有しているだけで,その人間のことを党派的とはいわないのです。
                                        
 『主体の論理・概念の倫理』で紹介されているひとりで,『〈内在の哲学〉へ』では内在の哲学の代表者としてスピノザおよびドゥルーズGille Deleuzeとともに名前をあげられているカヴァイエスJean Cavaillèsは,フランスでレジスタンス運動に身を投じ,ドイツ軍に捕えられて銃殺されました。このカヴァイエスの行動は,ある特定の政党を支持したというのとは異なりますが,政治的であったと僕はみなします。しかし党派的であったとはいいません。レジスタンス運動の参加者の中に党派的な人間がいたかもしれないことは僕は否定しませんが,カヴァイエスがそうであったとは僕はいいませんし,とりわけその運動に参加したというだけであれば,それがだれであろうとそれで党派的であるとは僕はいわないのです。
 カヴァイエスのこの行動は,カヴァイエス自身のスピノザ主義から発した政治的行動であった可能性を僕は肯定します。このことは『主体の論理・概念の倫理』で考察したときにもいいました。僕の考えあるいは実体験からいえば,スピノザの哲学というのは,それを学べばその実践を伴わずにいることができないような思想です。そして実践の中には当然ながら政治的実践というのが否応なしに含まれてしまいます。この意味において,僕はスピノザの哲学は,政治的であることから逃れられないと思っています。
コメント
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