スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ライオネス・飛鳥&ふたつの内在

2020-03-23 19:04:39 | NOAH
 長与千種のパートナーとしてクラッシュギャルズを結成していたのがライオネス・飛鳥です。
                                        
 飛鳥はジャッキー・佐藤に憧れてプロレス入りを決意しました。全日本女子プロレスに入団したときにも佐藤は現役で,練習を教えてもらいました。ただ佐藤は当時の飛鳥からすると身分としてすごく上の先輩だったので,自身より3年先輩のジャガー・横田の方が身近に感じられたそうです。横田は佐藤の付き人で,飛鳥は入団して1年目に横田の付き人となったため,このグループの一因となりました。飛鳥はこのグループを,新人時代のセメントの押さえ込みで強かったグループと表現しています。飛鳥が押さえ込みで負けたのは1回だけ。このあたりはセメントは弱かったと告白している長与とは対照的です。
 飛鳥は1980年に新人王トーナメントで優勝。年が明けて全日本ジュニア王者に。このタイトルはセメントで,飛鳥はセメントでは負けなかったために返上。返上後に全日本シングル王者となり,挑戦者として長与を迎えました。このときに長与から,今までにない試合がしたいと言われて承諾。張り手の打ち合いから始まるハードヒットの内容になりました。試合は体格に優る飛鳥が勝利。この試合を観た会社側からタッグを組めという命令が下り,クラッシュギャルズが結成されました。これはふたりの意志とは無関係の会社命令だったそうです。
 クラッシュギャルズのスタイルは長与と,当時はフロントにいたロッシー・小川のアイデア。このふたりはプロレスか女子プロレスかのプロレス派で,UWFの影響を受けたスタイルでした。飛鳥は女子プロレス派で,男子のプロレスはまったく見なかったし,魅力を感じたこともなかったと言っています。馬場や猪木に会ったときはオーラを感じたけれども,すごいレスラーだと思ったことはなく,飛鳥にとってのすごいレスラーは,ジャッキー・佐藤でありまたジャガー・横田でした。飛鳥は筋金入りの女子プロレス派だったといえそうです。

 無限知性intellectus infinitusは思惟の属性Cogitationis attributumの直接無限様態です。様態modiであるからには能産的自然Natura Naturansではなく所産的自然Natura Naturataです。第一部定理二一から分かるように,直接無限様態は無限infinitumです。無限であるものを部分に分割して考えることは好ましいことではありません。ですが分かりやすく説明するためにあえてそのような説明をするなら,直接無限様態である無限知性は,思惟の属性の所産的自然の全体を意味します。したがって,無限知性を超越する思惟の属性の所産的自然というのは存在しません。いい換えれば,思惟の属性の所産的自然というのは,無限知性を別とすれば,無限知性に内在する所産的自然なのです。第二部定理一一系で,人間の精神mens humanaが無限知性の一部であるといわれているのはこのような意味です。すなわち個々の人間の精神というのは,無限知性という所産的自然の全体に対していえばその一部を構成する部分です。したがって人間の精神は無限知性に内在し,それを超越することは不可能であるということになるのです。
 このことは,思惟の属性にのみ特有に妥当するというわけではありません。どのような属性にあっても同一です。もっともすでに述べたように,現在の考察においては思惟の属性以外には延長の属性Extensionis attributumについてだけ考えれば十分です。つまり思惟の属性でいわれているのと同じことが,延長の属性にも該当するということだけ踏まえておけば構いません。第四部定理四は,人間の身体humanum corpusについてだけでなく人間の精神にも妥当するのですが,人間の身体が自然の一部でないということは不可能であるということは,とくにこの定理Propositioの証明を経ずとも僕たちは知っているところでしょう。
 したがって,人間の精神であれ人間の身体であれ,それが自然のうちに内在する,自然を超越することはできないということのうちには,事実上はふたつの意味があるのです。ひとつは,人間の精神であれ身体であれ,それは所産的自然に属するので,能産的自然に内在し,能産的自然を超越することはできないということです。そしてもうひとつは,人間の精神も身体も所産的自然の一部なので,全体としての所産的自然に内在し,それを超越することはできないということです。
コメント
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