スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ジャパンダートダービー&一般性と特殊性

2007-07-12 22:37:45 | 地方競馬
 南関東勢のレベルが高いことがはっきりしていたので楽しみにしていた昨日の第9回ジャパンダートダービーは,そのレベルの高さを裏付けるような素晴らしいタイムでの決着になりました。
 出遅れが心配されたトップサバトンもまずまずの発走。スタンド前では逃げるかの態勢でしたが外からエイシンイッキが前に出て,フリオーソがこれを追いました。ただ,向正面では早々とフリオーソがこれを交わして先頭。トップサバトンが2番手でマーク。前半の1000メートルが60秒ちょうどのハイペースとなりました。
 このままこの2頭が後ろを離していき,3コーナーあたりから追い上げてきたのがアンパサンドとロングプライド。この時点で実力馬による争いになることが確実になりました。
 直線に入ったところでフリオーソが後ろを突き放し,ずっと追い掛けていたトップサバトンが脱落。替わってアンパサンドが2番手に上がりましたが,前に追いつくだけの脚はなく,フリオーソが優勝。アンパサンドが2着で,伏兵に詰め寄られるところはありましたがロングプライドが3着を確保しました。
 優勝したフリオーソ,管理する川島正行調教師は昨年の全日本2歳優駿以来の大レース優勝。南関東№2に成長した川崎の今野忠成騎手はこれが大レース初制覇。2分2秒9というタイムはこの時期の3歳にすれば破格。落鉄というアクシデントがあっただけになおさらです。ずっとこの馬が最も強いと考え中心に推してきましたが,接戦を繰り返していた馬たちに差をつけて勝ちましたので,世代トップの座は確保したのではないかと思います。アクシデントがなければ,今後もかなりの活躍が見込める馬でしょう。
 アンパサンドもロングプライドも,時計を考えるとかなりの力を発揮していると思います。武豊騎手がいうように,不良馬場は前にいったフリオーソに有利に働いた面はあるかもしれません。
 トップサバトンには残念な結果ですが,勝った馬を追いかけていってばててしまったものですから,今日のところはフリオーソが強かったということ。ただ,自身の体調面にはやや問題があったかもしれません。

 明日は四日市記念2日目優秀のフォーリンカップ。小嶋選手の後ろが普通に浜口選手なのか地元で岩見選手なのか,九州は4人が連携するのか,だれかが佐々木選手の後ろにいくのかと,不確定要素が大きいので予想は割愛。

 スピノザの哲学が唯名論に傾いていく最大の原因は,『知性改善論』の五五でいわれていること,すなわち,事物は一般的に概念されるほど混乱して認識され,特殊的に概念されるほど明瞭に理解されるとスピノザが考えていることに関係していると僕は考えています。つまりスピノザは,ある観念がより多くの対象を含めば含むほど,その観念は混乱しているのであって,観念がその対象の範囲を最も狭めた場合に,その対象が明瞭に認識されると考えているのです。
 たとえばこれを意志について考えてみます。すると,意志というのは,それぞれが個別の意志作用として認識される場合に最も明瞭に認識され,意志一般として認識される場合には,最も混乱して認識されているということになります。スピノザは意志一般なるものは個々の意志作用の総体にほかならないということをいいますが,そこにはこのようなことが含意されていると考えるべきだと僕は思っています。
 したがって,このとき,個別の意志作用の総体は,どのような名前で呼ばれようとも,問題にはならにということになります。なぜなら,認識としてはそれは混乱した認識にすぎず,重要なのは個々の思惟作用,意志作用という名で表現されている思惟作用だからです。だからこの部分にスピノザの哲学が唯名論に傾斜していく要因があると僕には思えるのです。
コメント
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