ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

介護の記録

2019年07月22日 00時23分21秒 | 日記
昨日は母が婦人運動をしていた話を書きましたが、高齢になってからは当然のことながら離れていました。

介護をする身としては「何か夢中いなることはないか?」が当初の課題です。

というのも、最初は「要支援1」しか頂いておらず、私が仕事で家を離れる約12時間の間の「過ごさせ方」が解からなかったのです。


しかし、「おう、それがあったか‼」というのが母の口から出てきます。

「お茶」と「お花」です。

母は若い頃、家でお茶を点て、花を活けていました。

「そういえば花瓶や鉢は何処?」

「茶筅があったはず」

と、私に聞くのです。


確か、引っ越しの荷物に紛れていたなと、探し出せば出てきたのです。


昔の様に大きな花瓶や鉢で「剣山」を使っての生け花は危険すぎましたので「一輪挿し」を使ってもらうことになりました。

花は買い物の途中で親切なオバサンがやっている花屋で自ら選んでもらいました。

お茶は流石に大きな窯で炭を誓って湯を沸かして、とも行きませんが、大きな口のヤカンを買って代用。

柄杓はありましたので、やはり近所の老夫婦の営むお茶屋さんで「ちょっと上等」のお茶を買って点ててもらいました。

点てるといっても力がありませんので「混ぜる」という感じでしたが・・・・


で、少しすると要介護3になりましたのでヘルパーさんにも同じことをお願いすることになりまして、出掛けている間の心配が100から80くらいには減ったわけです。

そういう「心配の削減」は精神的に重要かなと思います。

その後、要介護5になった時点では、それも叶わなくなりました。

ここで「これから介護にかかわるかもしれない」ご家族の方には、何か一つでも趣味などで手軽に出来るものを親御さんにご提案していただきたいな、と思うのです。

旅行や車はある時点で途切れてしまいますが「じっと家にいる」ことの無念さを紛らわせる術が必要に感じた3年です。


               樋口誠