ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

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 樋口誠

ブラインドテイスティング

2018年06月11日 02時11分50秒 | ワインの事
かつてソムリエ協会のコンクールは主軸として「ソムリエ」「ワインアドバイザー」「ワインエキスパート」の3本でした。

それ以外に他国の公的機関や輸入元が行うコンクールに協力や後援しています。


しかし、その主軸3本の内「ワインアドバイザー」が「ソムリエ」に吸収されましたので「何か代わりになることを」と誕生したのが「ブラインドティスティングコンテスト」


出場者の呼称資格を問わず、テイスティングのみを競うコンテストです。


試験の時などのように「各項目をチェックして」「分析的に」「どのようなワインであるか」を唎酒するものと違います。

品種、産地、年号などのみの解答で勝負をします。

つまり「当てる」ことに主眼を置いています。



古い話ですが(決して自慢ではありません)、私もかつて、そう1988年に「イタリアワイン ブラインドテイスティングコンテスト」で2位になってイタリア旅行を頂いたことがあります。

「スッゴイねえ」という声は不要です。

当時の私はソムリエといっても駆出しで、しかもフレンチに勤めていましたからイタリアワインは「門前の小僧」です。


つまり「ビギナーズラック」


過去のソムリエ歴の中で「この人は凄い」「あのお客様は大したもんだ」という人は少なからずいます。

しかし、国やジャンルを問わないブラインドテイスティングではなく「フランスワインに限っては」「イタリアンなら」という条件付きです。

例えばブルゴーニュ好きの方の中にはかなり正確に村や畑まで追跡できる方もいます。



時代は変わって今の協会のポリシーでは「特定のワインに拘らず、いやワインのみならず国酒も当然の対象」という幅の広さ。

当たらなくてやむなし、の難易度なんです。

その日の調子によっては「当たることもある」程度だろうと思います。

昨年の第1回のコンテスト決勝では前評判の高いメンバーが軒並みボロボロに崩れていきました。


「じゃあなんで、そんな難しいことをコンクールにするんだ」という声もあるやもしれません。

でも、それに挑む方々は「まずは基本のテイスティングをキチンとする」ことから真摯に勉強しているわけですから、普段の仕事にフィードバックされるはず。


今年2回目のブラインドテイスティングコンテスト予選が開催されました。

残念ながら我が大阪からは1名のみの通過ですが、私の仲良くしていただいているソムリエです。


さて、ブラインドテイスティングは知識や経験が増えるほど難しくなります。

つまり選択肢が多くなりすぎて絞れなくなるのです。

或いは「深読み」をしてしまいます。


確かに様々なワインが出題されますので「深読み」しがちですが、勝負は「思い切り」

誰の重圧も気にすることなく「ひょうひょうと」挑んでいただきたいと思います。


          樋口誠