昨日は溜池山王のサントリーホールに、“若き音楽家によるフレッシュオペラ「ヴェルディ:ラ・トラヴィアータ(椿姫)」”の講演を見に行きました。
友達のお嬢さんが桐朋学園に在籍していて、オーケストラのコンサートマスター(第一ヴァイオリン)をされるということで見に行き、実に素晴らしい公演に心底感動したところです。
若き音楽家とは、出演する歌手たちもそうですが、楽員は文字通りの桐朋学園オーケストラ。学生と言っても、過去に小澤征爾、尾高忠明、ダニエル・バレンボイムなどの一流指揮者の指導を受けてきた名門です。
いや、若いだけあってオケの音に張りがある!
また、村上寿昭さんの指揮が素晴らしく、若き歌手や楽員をグイグイ引っ張って縦横無尽の音を奏でているのが圧巻でした。
往年のゲオルグ・ショルティを思わせる骨太な演奏で、弱音からいきなりフルオーケストラが鳴り響く、ヴェルディ独特の響きが印象的でした。
それに応えられる桐朋学園オーケストラの技量もすごいですね。
ホールの中は撮影禁止なので、入り口とその周辺だけアップね♪
「ラ・トラヴィアータ」を生で見てあらためて思ったことが、このオペラ…徹頭徹尾、主役の椿姫ヴィオレッタを聴かせる作品だということです。
私もオペラは好きで制作時によくかけてるのですが、声だけ聞いていると、どういう配役なのかわかりません。
それが生の公演になると、誰がどう歌っているのか分かるのが面白いところですね。
よくオペラ歌手のプロフィールを見ると、トラヴィアータで注目される、などとと書いてあるものも多いのですが、本当に聞かせてどころ満載の役でした。
ヴィオレッタ役の大田原遙さんの声は変幻自在。
役に入り込んだ表現がなんとも素晴らしいかったのですが、カーテンコールで出てきた時に小柄だったのにびっくり。
役を演じている時は大きく見えるのですが、それも本物だということでしょう。
でも、トラヴィアータのヴィオレッタ役…今まで見てきて、結核で死にそうなプリマドンナは一人もいませんけど、小柄な大田原さんですが、それでも可愛くて健康そのものな感じはご愛嬌ですね。
あの役は病気で死にそうだったら、もちろん出来ないんだろうけど(笑)。
また、役の中でヴィオレッタの小間使いアンニーナや、医師のクランヴィルの役どころが地味ながらアクセントになっていて、劇とはこういう脇役が大切だなとも感じました。
圧巻は最後、ヴィオレッタが結核で亡くなる第三幕のフィナーレ。
友人のお嬢さんがコンマスとして弾く、ヴァイオリンソロの美しいのにびっくり!
子供の頃の音しか知らなかったのですが、若いってすごい…。
ここまでの表現を身につけていたのかと感慨無量でした。
もちろん本人の努力と才能もあるけど、周りのサポートが素晴らしかったのですね。