小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

ジェルソミーナ、ザンパノ、高橋大輔

2010-02-21 10:52:54 | Weblog
韓国でも高橋大輔選手の人気はうなぎ登りだそうで、映画「道」の反響もすごいそうです。
荒川静香選手の時も「誰も寝てはならない」の売り上げが大変だったそうですが、
これから映画「道」のDVD売り上げに注目したいところです。
こうしてスポーツから芸術の世界に広がっていくのが、
フィギュアスケートの魅力であり、素晴らしさに違いありません。

映画通のtomozoさんのコメントによると、
「道」のヒロイン、ジェルソミーナの役は女優にとって憧れの役なんだそうです。
演じたい役は? ときくと、ジェルソミーナを挙げる人が多いんだとか。
私は強いと思われてる女性ほど、ジェルソミーナに共感すると思っていましたが、
何か、そこに理由があるんでしょうね。

私はこの映画の存在を、中学時代に読んだ
遠藤周作の”狐狸庵(こりあん)先生”のエッセイで知りました。
ストーリー内容も全部書いてあって、狐狸庵先生は
「男と女の間って、ジェルソミーナとザンパノの関係なんだよな」
とおっしゃっていたのです。

当時は何のことかわからず、浪人時代、早稲田松竹ではじめてこの映画を見た時も、
うしろに座ってた女性客の「かわいそ~(ジェルソミーナが)」とか
「ひどーい(ザンパノが)」という声がうるさく、
狐狸庵先生のおっしゃった意味がわかりませんでした。

その後、何度もフェリーニの「道」は繰り返して見たのですが、
この映画を見て本当に涙したのは、何度か挫折して人生の悲哀がわかった頃かな~。
ザンパノが海岸で泣きむせぶ、あのラストシーンは
奥さまに先逝かれた、世の男性たちの姿に重なるのかもしれません。
(亭主が先に逝くと、世の女性はかえって元気になるそうですが)。

ケガを乗り越えた高橋選手だったからこそ、あの世界を表現できたのでしょう。
荒川静香さんもコメントしたように、
高橋大輔選手の演技は、こと芸術性においてはダントツだったと思いました。

写真はキッチン・マ・メゾンのブイヤベースと、そのスープで作ったリゾット。
2人前2900円で新鮮な海の幸が、腹一杯味わえます。
コメント (6)
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