小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

進歩的な、あまりに進歩的な

2010-02-03 13:07:12 | Weblog
話は、昨日アップした東京新聞の切り抜きに戻ります。
日本在住のフランス人女性コラムニストが、
「”進歩的な国は”地方参政権を外国人に与えている、だから投票させてよ」
という意味のことを書いています。

まあ、何てこともない記事ではあるんですが、今までも書いたように
「すみません。お気持ちはわかりますが、そいつはなりません」というのが、私の意見。
ただ、それよりも気になるのが、彼女だけでなく”外国人参政権を認める派”の多くは、
”進歩的な国は行っている”という、ファッショナブルな理由を根拠にしてるような気がします。

この「進歩的」って言葉は、実にクセ者なんですよね~。

進歩的な人たちが「ゆとり教育」をはじめたわけだし、
進歩的な考え方によって、遺族の気持ちを無視して「死刑廃止」の法律を作らせる。
さらに囚人の人権を考慮して、泥棒や性犯罪者に快適な刑務所を与えるというわけです。
なんか自由度の高さ=進歩的、と勘違いしてるみたいですよね。

たしかに自由、平等、人権といったアイテムは、民主主義の根幹ではあるんだけど、
無制限に与えればインフレを起こして、その価値を失ってしまいます。
自由度が高ければ進歩的になるという単純なものではなく、
かのドストエフスキーも”カラマーゾフの兄弟”の中で
「人間なんて、自由の重荷に耐えられない か弱い存在だ」なんて言っているくらいです。
その自由の重荷にガマンできなくなった人たちは、
イスラム教徒、キリスト教徒などにおいては、しばしば原理主義に立ち返るくらいだもん。

では自由と平等を何より大切にするフランスで、最近何があったかといえば、
「ブルカ」というイスラム女性が顔をかくすためのヴェールを禁止しよう、
ということが議会で提言されたんだそうです。
サルコジ大統領はブルカがお嫌いのようで「女性抑制のシンボル」だから、
公共の場でブルカをするなと発言したそうで、これは相当な物議をかもしている。
だって、フランスでブルカをしてるイスラム女性の多くは、
自分の意思でしてるんだもん。

彼女たちがブルカをしようが、するまいが、私はどちらでもかまわないと思いますが、
ブルカする方が進歩的でしょうか?
それともしない方が進歩的でしょうか?
そんなこと、誰もわからないと思います。

写真は三田製麺所 赤坂見附店のつけめん大盛り。
ものすごいボリュームで700円。コシもあってなかなか旨いです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする