漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

忘却探偵シリーズ

2016年01月30日 | 読書録

「掟上今日子の防備録」
「掟上今日子の推薦文」
「掟上今日子の挑戦状」
西尾維新著 講談社BOX 講談社刊

を読む。

 ドラマ化もされた、忘却探偵シリーズを、続けて三冊読んだ。ちなみに、忘却探偵というのは、主人公の掟上今日子が、眠ると全ての記憶がリセットされてしまうことから付けられたシリーズ名。正確には、今日子は数年前のある時点からそういう状態になってしまったようなので、それ以降の記憶が、ということになる。ただし、本人にもなぜ自分が忘却探偵として生きることになったのか、よくわからないようなので、この辺りの真相は、シリーズ最大の謎となっているようだ。一説には、「物語シリーズ」に出てくる羽川翼というキャラクターが掟上今日子の正体なのではないかと言われているようで、確かに三巻目まで読んだところでは、あまりにもあからさまな仄めかしが、あちらこちらに挿入されているので、そうなんじゃないかと思わされたが、実際のところはよくわからない。
 気軽に読めるシリーズで、西尾維新らしさはさほどでもないから、とっつきやすい。一番面白かったのは、二冊目の「掟上今日子の推薦文」。突然死した作家が残したたくさんの作品から、その死に事件性があるのかないのかを探る話は、良かった。こういうようなことを、実際にこっそりやっている作家がいそうな気がしないでもない、と思わされた。

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