漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

小暮写眞館

2015年05月02日 | 読書録

「小暮写眞館」 宮部みゆき著
講談社刊

を読む。

 心霊写真を題材にした、連作ライトミステリ。心霊写真っぽい写真があって、調べてゆくうちに、実は心霊写真じゃありませんでした、という展開の小説ではなくて、心霊写真ぽい写真があって、実は違うんじゃないかと思いながら調べるのだけれど、実際に心霊写真でした、という小説。かといって、ホラーではない。もちろん心霊写真という怪異は出てくるのだけど、どちらかといえば、ハートウォーミングな作品である。
 人気作家、宮部みゆきの作品だけあって、さすがに最後まで読ませるのだけれど、じゃあ面白いのかといえば、かなり微妙。可もなく不可もなくといったところ。全年代対象のドラマの原作にはいいかもしれないが、分厚い本だし、何度も途中で投げ出そうかと思ったくらいだ。ライトノベルを意識した文体も、あれはあれで意外と難易度が高いし、成功しているとはとても言いがたいと思った。

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