38歳からの百姓志願~実践編。

霊峰・石鎚を仰ぎ、瀬戸内の陽光を望む愛媛県西条市、「有機菜園 藤田家族」無農薬・無化学肥料の野菜と暮らし。

風景を、つくる。

2006年09月27日 | 農と暮らしの日記
人参畑の向こうに、彼岸花。そして黄金に輝く稲穂。
うちで使わせていただいている田も含めて、周囲の田の畦にはこの時期、まっ赤な彼岸花が一斉に咲いている(何度か書いていますが、この辺りでは農地は基本的に「田」で、一般的には夏は稲作をし、その裏作で野菜を作る。最近は減反などもあり、夏も畑として使っている田もあります。藤田家族の野菜が育つ農地もほとんどが「田」)。

ちょうど1年前にも、この風景を見た。
研修と並行して就農のための土地探しをしていた折、縁あってこの地を訪れ、いくつかの田と、そして、いま住んでいるこの家も紹介していただいた。結局、その土地と家を使わせていただくことに決めたわけだけれど、この季節のこの地域の風景と空気が、とても気持ちのいいものだったことも、決め手のひとつになったのかもしれない。

いま、僕もこの地域の風景の一部を作っている。
畦に彼岸花の咲く田に、暑さを乗り越えて少し疲れ気味の夏野菜たちと、元気よく植えられたけれど乾いた空気に縮こまったままの秋冬野菜たち。朝夕、畑を眺めながら僕は思う。「いい風景を作っているか?」。……。うーん、野菜の出来以前に、やっぱりこれがいちばん胸が痛む、というか胃が痛むというか、とにかく全然ダメなのである。

近所の農家の方たちに見られて恥ずかしいのはもうしょうがない。
でも、もしもいま、「農業したいな」と思っている人がこの地を通りかかっても、うちの畑を見て心ときめくことはないだろう。そういうのが、いまちょっとつらい。彼岸花が咲き、稲穂が黄金に輝くいまだから。



今日も青空のもと、午前中は収穫と出荷。
午後、なおも畑に残っていたじゃが芋の最終の掘り上げ。そして、夕方早めに水やりを始める。種を播いたばかり、苗を植えたばかりの畑で約2時間。20リットル入りのポリタンク4つと10リットル入りの如雨露で計90リットルの水を軽トラに乗せて畑で撒いて。これを4回繰り返すうちに日没。

台風が過ぎてから今日で10日。
天気予報は来週開けまで晴れ続き。その後も傘マークは出ていない。灌水さえしっかりしていれば野菜の生育は順調、ということか。
コメント
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