春植えのトンネル白菜が結球しないままトウ立ちしてしまった。
昨年はまあまあうまくいって、端境期の野菜セットを盛り立ててくれたのに残念。うちの隣の畑の方も作付けされていたが、同じようにトウ立ちし、そちらは昨日、早々にトラクタで潰して片付けられた。
先日その畑を散歩か何かで通りかかった人がいた。
花の咲き始めた白菜を横目に、「あれは失敗なんじゃろうか」と隣で作業中の僕に尋ねるので、「寒かったからですかねー、うちも同じですよ」と答えたら、「漬物にでもしたらおいしいのに、出荷はせんのだろか」と言うから、「うーん、ここに来て自分で収穫してってくれるんなら分けてくださるかもしれませんけど……」と答えるしかなかった。花が咲いて結球していない白菜なんて、出荷されて店に並んでいても買ってくれる人なんているのだろうか。
いわゆる「産地廃棄」のことを考える。
生産過剰などで値崩れし、出荷するだけ損になる場合などに、収穫せずにトラクタで潰してしまう、あれだ。テレビなどで見て「もったいない」という人は多いようだけれど、「それなら、あなたここに来て自分で収穫して買っていってくれますか?」というのが生産者の気持ちではないかと思う。「加工でもしたらどうか」というなら、そんなときのために普段は眠らせている生産施設を使って加工した漬物を、その非効率性から生じる価格で本当に買ってくれるだろうか。
さて、うちの「結球前、トウ立ち白菜」はどうなるか。
いまのところトラクタで潰すことはしていない。今日から野菜セットに入っている。他の葉ものが低温・日照不足のせいか生育が遅れているので、その代わりに。もちろん、こんなものを、「内容おまかせ」のセットに入れるのは悔しいことだ。いくら「おまかせ」という約束になっていても、それでなくても「里芋は小芋が品薄だから親芋」「小松菜はまだ小さいもの」「レタスは小さいけどトウが立つ前に急いで」「葉ものが少ないから大根まびき菜」「冬の人参は終わったから春作の人参のまびき菜」「玉葱のトウを、にんにくの芽みたいに」「そらまめの脇芽も食べられるので」「畑の隅に生えているよもぎ」……うちの現在の野菜セットは実際こんなものばかりである。
その上に「トウ立ち白菜」。
いくらなんでも、というのが正直なところ。それでも、「意外とおいしかった」「スーパーでは葉ものが高いから助かる」「珍しいものが入ってくるから楽しい」などと声をかけてくださるお客さんたち。外から見れば奇異に映るかもしれない。僕自身もこれが当たり前だとは思わない。けれど、こうして毎回、ある程度の量・金額のセットを買い支えてくださることで、「こんどはうまく作ろう」という次の行動に移ることができる。精神的にも、経済的にも。本当にありがたいことです。
*
金曜、予報は終日の快晴。
朝:6時半過ぎからごはん。
午前:7時半頃から収穫1時間ほど、戻ってセットづくり。薫はお客さんのMKさんと一緒にじゃが芋の草とり。お子さんが幼稚園に行っている9~11時の間、家に帰ってもすぐまた迎えに来ないといけないから、それより園の近くにある藤田家族の畑にいたほうが楽だし……とか。これもまたありがたいことです。僕はセットづくり。
午後:薫が市街に配達。
僕は豌豆類の誘引、畑の除草など。昼頃から雲が出て風も強くなり、予報の「快晴」から一変して寒い。
夜:薫がバレーの当番なので、僕がごはんの準備。
頂き物の尾頭付きで鯛飯(焼いたのを載せて醤油味でご飯を炊く)。新玉葱スライスを鰹節と和えてオリーブオイル醤油味。冒頭の「トウ立ち不結球白菜」をちりめんじゃこと炒め煮。おぼろ豆腐の煮奴。それに薫が作ってあった風呂吹き大根。
<本日の野菜セット>例
里芋・その親芋、葉つき新玉葱、春大根、葉つき小蕪、大根まびき、人参まびき菜、小松菜若どり、リーフレタス赤と緑、トウ立ち不結球白菜、玉葱のトウ、などから。
明日から5月。
しばらく晴れが続く予報。
昨年はまあまあうまくいって、端境期の野菜セットを盛り立ててくれたのに残念。うちの隣の畑の方も作付けされていたが、同じようにトウ立ちし、そちらは昨日、早々にトラクタで潰して片付けられた。
先日その畑を散歩か何かで通りかかった人がいた。
花の咲き始めた白菜を横目に、「あれは失敗なんじゃろうか」と隣で作業中の僕に尋ねるので、「寒かったからですかねー、うちも同じですよ」と答えたら、「漬物にでもしたらおいしいのに、出荷はせんのだろか」と言うから、「うーん、ここに来て自分で収穫してってくれるんなら分けてくださるかもしれませんけど……」と答えるしかなかった。花が咲いて結球していない白菜なんて、出荷されて店に並んでいても買ってくれる人なんているのだろうか。
いわゆる「産地廃棄」のことを考える。
生産過剰などで値崩れし、出荷するだけ損になる場合などに、収穫せずにトラクタで潰してしまう、あれだ。テレビなどで見て「もったいない」という人は多いようだけれど、「それなら、あなたここに来て自分で収穫して買っていってくれますか?」というのが生産者の気持ちではないかと思う。「加工でもしたらどうか」というなら、そんなときのために普段は眠らせている生産施設を使って加工した漬物を、その非効率性から生じる価格で本当に買ってくれるだろうか。
さて、うちの「結球前、トウ立ち白菜」はどうなるか。
いまのところトラクタで潰すことはしていない。今日から野菜セットに入っている。他の葉ものが低温・日照不足のせいか生育が遅れているので、その代わりに。もちろん、こんなものを、「内容おまかせ」のセットに入れるのは悔しいことだ。いくら「おまかせ」という約束になっていても、それでなくても「里芋は小芋が品薄だから親芋」「小松菜はまだ小さいもの」「レタスは小さいけどトウが立つ前に急いで」「葉ものが少ないから大根まびき菜」「冬の人参は終わったから春作の人参のまびき菜」「玉葱のトウを、にんにくの芽みたいに」「そらまめの脇芽も食べられるので」「畑の隅に生えているよもぎ」……うちの現在の野菜セットは実際こんなものばかりである。
その上に「トウ立ち白菜」。
いくらなんでも、というのが正直なところ。それでも、「意外とおいしかった」「スーパーでは葉ものが高いから助かる」「珍しいものが入ってくるから楽しい」などと声をかけてくださるお客さんたち。外から見れば奇異に映るかもしれない。僕自身もこれが当たり前だとは思わない。けれど、こうして毎回、ある程度の量・金額のセットを買い支えてくださることで、「こんどはうまく作ろう」という次の行動に移ることができる。精神的にも、経済的にも。本当にありがたいことです。
*
金曜、予報は終日の快晴。
朝:6時半過ぎからごはん。
午前:7時半頃から収穫1時間ほど、戻ってセットづくり。薫はお客さんのMKさんと一緒にじゃが芋の草とり。お子さんが幼稚園に行っている9~11時の間、家に帰ってもすぐまた迎えに来ないといけないから、それより園の近くにある藤田家族の畑にいたほうが楽だし……とか。これもまたありがたいことです。僕はセットづくり。
午後:薫が市街に配達。
僕は豌豆類の誘引、畑の除草など。昼頃から雲が出て風も強くなり、予報の「快晴」から一変して寒い。
夜:薫がバレーの当番なので、僕がごはんの準備。
頂き物の尾頭付きで鯛飯(焼いたのを載せて醤油味でご飯を炊く)。新玉葱スライスを鰹節と和えてオリーブオイル醤油味。冒頭の「トウ立ち不結球白菜」をちりめんじゃこと炒め煮。おぼろ豆腐の煮奴。それに薫が作ってあった風呂吹き大根。
<本日の野菜セット>例
里芋・その親芋、葉つき新玉葱、春大根、葉つき小蕪、大根まびき、人参まびき菜、小松菜若どり、リーフレタス赤と緑、トウ立ち不結球白菜、玉葱のトウ、などから。
明日から5月。
しばらく晴れが続く予報。