数ヶ月にわたるリープを抜け出し、時が前に進みだしました。
繰り返してみたその果ては、前回と同じ。問題は解決せず、むしろ事態の深刻さが浮き彫りになるばかり。
「プリキュア、やめそう」
ぼそりと吐き出された平光さんの言葉が重いです。さりげなく伝えられただけに、嗚呼本気で悩んでるんだな感がせつない。
平光さんは語る。
先日(がいつのことなのか定かではありませんが)めっちゃやばくなった。でもめっちゃ頑張って強くなった。それなのにもっと強い敵が増えた。
私たちの努力は何だったのか。
「戦いが怖い」といった表面的な問題ではなかった。
「勝っても勝ち」じゃない絶望。局地的に勝っても、敵の勝利条件は着々と貯まっていく。
歴代シリーズでいえば、桃園さんや星空さんが近いでしょうか。それらと比べても、ヒープリ組の置かれた状況は一際きつい。
(1)敵の目的はプリキュアではない。
故に全く関係ないところを襲撃してくるし、同時多発攻撃もできる。
「ラテ様を奪おうとする」とかなら迎撃すればよいですが、「探知して駆け付ける」からやらないといけない。
(2)敵が成長する。
初動が遅れると育ち、単体でも倒せないレベルに。しかも増える。それも幹部クラスが。
先ほどの(1)との相性がえぐすぎる。
(3)敵幹部が普通に強い。職場の体制もしっかりしている。
「プリキュアに負けた」=「失敗」とみなさず、新人フォローもしっかり。自分達の強み(1)(2)を理解した戦術まで採用してくる。
改めて整理すると、どうしようもなさが酷い。これ、オールスターズ案件じゃなかろうか。プリキュアの数が全く足りていない。
非常に辛いことに、この状況は現実の病気も反映しています。
「目の前の患者ひとりを救えばそれで終わり」ではない。
ウィルスはこちらの事情など考慮してくれないので、同時多発的に発生するし、打ち漏らせばその分だけ拡大していく。
「負けてもその場はそれで終わり。次回はまた仕切り直し」ではない。不利はどんどん積み重なる。有利は積み重ならないのに。
患者の新規発生が昨日は100人、今日は50人。だから良くなった…ではない。昨日の患者100人は病院にいるのだから、今日は150人をケアせねばならない。事態は悪化している。
終わりの全く見えない戦いに、これまでの半生もあって平光さんは完全に自信を喪失なされた。私が頑張っても、どうにもならない。
折しも現れた今回の敵は、空を高速移動しながら少しずつ被害を巻き散らかす相手。どうしようもなさすぎます。敵が自分たちの強みを理解しきってて怖い。
平光さんらには知る由もないですが、「たまたま作戦がハマった」のではなく「新人に一味違う戦略を教えようとして」「広範囲・高速・空中の探知されにくい手段で」「成長までの時間を稼ぐ」戦術を狙った通りに実行しています。
グアイワルのようなタイプは一般には「口だけの単細胞」と思われるのに、宣言通りにきっちり仕事をしているし、彼なりに部下を可愛がっている。勝てる気がしない。
実際、花寺さんらは敵の正体すらまともに把握できず。そもそも敵の攻撃かも確信が持てない有様です。
頼みの綱のラテ様は、畜生の悲しさでまともな情報をよこさない。正体は「ドローン」+「雷のエレメントさん」による「静電気」だったわけで、犬の認識力を越えています。これも意図しての攪乱だったならいよいよ絶望的すぎる。
どうにもならぬかに思えましたが突破口は意外なところにあった。SNSです。
「広範囲・高速・空中」の特徴故に、多くに人の目に留まり、結果的に捕捉できた。
語弊を承知でいうならば、現実のクラスター戦略そのものです。専門家が虱潰しに探すのではなく、「異常が起きた」ことの自主申告で発見する。
これに気づいたのは平光さんでした。自分の才能のなさを嘆いていた彼女ですが、この分野に関してはおそらくプリキュア一です。
ガラケーすら持ち合わせなかった白黒先輩は言うに及ばず、得意そうな薬師寺さんや天の川さんよりも「雑談寄りの俗っぽい話題を適切にサーチする」のは上手そう。
少なくとも花寺さんや沢泉さんは絶対に思いつかなかったと思う。
発見されたメガビョーゲンは既に相当に厄介な強さに育ってはいたものの、どうにかこうにか間に合いました。怖すぎる。薄氷の勝利だ。そしてここで勝ったところで有利にはなってない。事態は全く好転せず。
でもそれでも平光さんは吹っ切れた模様。やれることをやるしかない。
分かりやすい特効薬がない以上は、目の前のできることを地道にやっていくしかない。「上手く成功しても現状維持でしかない」のは心が折れそうにもなりますが、それでも無意味や無力ではない。できることをやろう。
春映画がまだ公開されておらず、また今まさに世の中が揺れ動いているので着地点が見えませんが、今年のテーマはここ数話をみるに「少数の英雄(プリキュア)では手が回らない。数多の人々の一つ一つは小さな協力が大事」の方向なのかなと思う。
メガビョーゲンの同時大量発生を、免疫や予防で(プリキュアの力に頼らずに)各人が発生を食い止める、いざ発生したら発見と回復に奮闘する、みたいな感じで。
繰り返してみたその果ては、前回と同じ。問題は解決せず、むしろ事態の深刻さが浮き彫りになるばかり。
「プリキュア、やめそう」
ぼそりと吐き出された平光さんの言葉が重いです。さりげなく伝えられただけに、嗚呼本気で悩んでるんだな感がせつない。
平光さんは語る。
先日(がいつのことなのか定かではありませんが)めっちゃやばくなった。でもめっちゃ頑張って強くなった。それなのにもっと強い敵が増えた。
私たちの努力は何だったのか。
「戦いが怖い」といった表面的な問題ではなかった。
「勝っても勝ち」じゃない絶望。局地的に勝っても、敵の勝利条件は着々と貯まっていく。
歴代シリーズでいえば、桃園さんや星空さんが近いでしょうか。それらと比べても、ヒープリ組の置かれた状況は一際きつい。
(1)敵の目的はプリキュアではない。
故に全く関係ないところを襲撃してくるし、同時多発攻撃もできる。
「ラテ様を奪おうとする」とかなら迎撃すればよいですが、「探知して駆け付ける」からやらないといけない。
(2)敵が成長する。
初動が遅れると育ち、単体でも倒せないレベルに。しかも増える。それも幹部クラスが。
先ほどの(1)との相性がえぐすぎる。
(3)敵幹部が普通に強い。職場の体制もしっかりしている。
「プリキュアに負けた」=「失敗」とみなさず、新人フォローもしっかり。自分達の強み(1)(2)を理解した戦術まで採用してくる。
改めて整理すると、どうしようもなさが酷い。これ、オールスターズ案件じゃなかろうか。プリキュアの数が全く足りていない。
非常に辛いことに、この状況は現実の病気も反映しています。
「目の前の患者ひとりを救えばそれで終わり」ではない。
ウィルスはこちらの事情など考慮してくれないので、同時多発的に発生するし、打ち漏らせばその分だけ拡大していく。
「負けてもその場はそれで終わり。次回はまた仕切り直し」ではない。不利はどんどん積み重なる。有利は積み重ならないのに。
患者の新規発生が昨日は100人、今日は50人。だから良くなった…ではない。昨日の患者100人は病院にいるのだから、今日は150人をケアせねばならない。事態は悪化している。
終わりの全く見えない戦いに、これまでの半生もあって平光さんは完全に自信を喪失なされた。私が頑張っても、どうにもならない。
折しも現れた今回の敵は、空を高速移動しながら少しずつ被害を巻き散らかす相手。どうしようもなさすぎます。敵が自分たちの強みを理解しきってて怖い。
平光さんらには知る由もないですが、「たまたま作戦がハマった」のではなく「新人に一味違う戦略を教えようとして」「広範囲・高速・空中の探知されにくい手段で」「成長までの時間を稼ぐ」戦術を狙った通りに実行しています。
グアイワルのようなタイプは一般には「口だけの単細胞」と思われるのに、宣言通りにきっちり仕事をしているし、彼なりに部下を可愛がっている。勝てる気がしない。
実際、花寺さんらは敵の正体すらまともに把握できず。そもそも敵の攻撃かも確信が持てない有様です。
頼みの綱のラテ様は、畜生の悲しさでまともな情報をよこさない。正体は「ドローン」+「雷のエレメントさん」による「静電気」だったわけで、犬の認識力を越えています。これも意図しての攪乱だったならいよいよ絶望的すぎる。
どうにもならぬかに思えましたが突破口は意外なところにあった。SNSです。
「広範囲・高速・空中」の特徴故に、多くに人の目に留まり、結果的に捕捉できた。
語弊を承知でいうならば、現実のクラスター戦略そのものです。専門家が虱潰しに探すのではなく、「異常が起きた」ことの自主申告で発見する。
これに気づいたのは平光さんでした。自分の才能のなさを嘆いていた彼女ですが、この分野に関してはおそらくプリキュア一です。
ガラケーすら持ち合わせなかった白黒先輩は言うに及ばず、得意そうな薬師寺さんや天の川さんよりも「雑談寄りの俗っぽい話題を適切にサーチする」のは上手そう。
少なくとも花寺さんや沢泉さんは絶対に思いつかなかったと思う。
発見されたメガビョーゲンは既に相当に厄介な強さに育ってはいたものの、どうにかこうにか間に合いました。怖すぎる。薄氷の勝利だ。そしてここで勝ったところで有利にはなってない。事態は全く好転せず。
でもそれでも平光さんは吹っ切れた模様。やれることをやるしかない。
分かりやすい特効薬がない以上は、目の前のできることを地道にやっていくしかない。「上手く成功しても現状維持でしかない」のは心が折れそうにもなりますが、それでも無意味や無力ではない。できることをやろう。
春映画がまだ公開されておらず、また今まさに世の中が揺れ動いているので着地点が見えませんが、今年のテーマはここ数話をみるに「少数の英雄(プリキュア)では手が回らない。数多の人々の一つ一つは小さな協力が大事」の方向なのかなと思う。
メガビョーゲンの同時大量発生を、免疫や予防で(プリキュアの力に頼らずに)各人が発生を食い止める、いざ発生したら発見と回復に奮闘する、みたいな感じで。