穴にハマったアリスたち

生きてれば楽しい事がいっぱいある!の証明の為のページ。ぴちぴちピッチを大応援。第三期をぜひ!
→新章開始!ありがとう!

映画「ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス!」

2013年10月26日 | プリキュア映画シリーズ
【今年のプリキュアさん】

例年通りTジョイ大泉さんで、最速上映を見てきました。
本日はちょうど「まどか」さんの公開日。いつも以上に人がごった返す様子に、普段以上にお祭り感を感じました。
私たちは、ひとりじゃない。

■映画「ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス!」

ある日のこと。
相田さんはお母様の結婚式のドレスと対面しました。
聞けば、お婆様も同じドレスを着用されたとか。
相田さんも夢を膨らませます。
親子三代続いたこのドレス、自分も結婚式で着てみたい…。

あくる日。
そのことを学校で話したりして茶化されたりしつつ。
いつものプリキュアメンバーで、思い出話に花を咲かせます。

が。

話題は自然とお婆様や、以前に飼っていた犬のことに。
お祖母さんは随分と前に他界され、飼っていた犬ともお別れしたそうです。
そこで相田さんはおっしゃった。

相田さん:
 「昔の話じゃなくて、未来の話をしよう」

微妙に話しづらそうな相田さんの心情を察したか、一同は取り留めもない未来のお話へ。
まぁそんなに変なことじゃない。
ちょっとばかり、相田さんの話題の転換の仕方が気にはかかるけれど。

だけどその夜。

街の片隅の閉館した映画館を起点にして。
不意にやってきた謎の集団が、街を制圧しつつ、相田邸へ。
一団を率いる謎の男・マシューさんのクラリネットの音色に合わせ、街中の古品が宙に舞う。

相田さんの件のウェディングドレスも逃亡を試みますが、彼女の「あたしが着るんだから」の声にひとまず静止。
そこまでは良かったものの、慌てて外に飛び出てみれば、マシューさんが迫ってきていた。
よく分かりませんが、彼の狙いは相田さんのご様子。だけど相田さんには全く思い当たるものがない。

マシューさん:
 「そうか。覚えていないのか」

それは憎しみか悲しみか。
相田さんの無反応ぶりに、マシューさんの戦意が高まる。
そこにちょうどやってきた菱川さんら。相田さん、早速応戦に入ります。唸れ!ラブリンク!

この様子にマシューさんはやや動揺。なんだあいつらは。
どうも「相田さん=プリキュア」という認識はなかったようです。
なんてこった。無垢な一般人を襲撃してきたのか。たまたま相田さんがプリキュアで本当に良かった。

応戦に出たプリキュアさんですが、当初こそ優勢に戦況を進めるものの、マシューさんの力の前に屈してしまいました。
助けに入ったセバスの奮闘も虚しく、プリキュアさんは敗退。
家族も街の人も謎光線に囚われ、プリキュアさんもまた「過去の思い出」とやらに捕獲されてしまいます。

捕らわれた相田さんが見たのは、数年前の世界。
そこには亡くなったはずのお婆様も、大好きだった犬もいる。
今では決して戻らない夏休みが、ずっとずっと続く世界。

現実世界ではレギュラー謎生物+ゲスト謎生物が奮闘するけれど、でも相田さんは過去の世界に埋没していく。
終わらない夏休み。楽しかったあの日々。
それが架空のまやかしであることは、相田さんも分かってる。
だけどこれはあまりに卑怯だ。
ずっと会いたかったあの人たちとの再会と、未来に訪れる別れが、相田さんの心を溶かしていく。

このまま放っておいても、相田さんは復帰不能に思われましたが、マシューさんは油断しない。

マシューさん:
 「あいつらはプリキュアだ」
 「万が一がある。とどめをさそう」

極めて賢明です。奴ら、理不尽極まるイカサマで復活してくるし。

そして実際、四葉さんや菱川さんは夢の中で意識を取り戻しました。
この世界は幸せだ。だけど相田さんがそこにはいない。
失っていた自我を取り戻し、お二人は現実に向かい歩きだす。

一方、まこぴー。
腐ってました。
完膚なきまでに爛れて腐ってました。

思い起こされるのは、誉れ高いプリキュアの拝命式。
王女様から任命され国民一同に祝福されたあの日。
敗戦の責任を負わされることもなく、「唄ってただけ?王女様が行方不明だったのに唄ってただけ?それ、何の役に立ったの?え、聞こえないんだけど?どう役に立ったの?はっきり答えてよ」とか囲まれて糾弾されることもなかった、あの日。
胸が震えます。もういっそこのまま夢の世界に永住したい…。

しかしながらその夢は、乱入してきたダビィに破られます。
ああいいわよ。戦えばいいんでしょ、戦えば!
若干、逆ギレの様子を漂わせながらも、まこぴー奮起。

だけど菱川さん&四葉さん、および、まこぴーと脈絡なく乱入してきたエースさん。
襲ってきた敵は撃破したものの、力尽き、倒れてしまいました。
結局のところ、相田さんが立ち上がらないことには始まらない。

その相田さん。
大切な人たちの死を突き付けられ、更に深く、思い出の中に埋没。
未来には悲しいことが待っている。努力や根性で回避できるものじゃない。
それは必ずやってくる悲しい事実。
だったら、いっそ、このままでも…。

シャルル:
 「そっちに行っちゃ駄目シャル!!」

謎生物の悲鳴が響く。
苦しい未来よりも、楽しかった過去。
失う事を恐れた相田さんの物語は、ここで終わりを迎えた。

そんな相田さんを呼びとめたのは、思い出の中のお祖母さんその人でした。

お祖母さん:
 「耳を澄まして御覧」
 「何が聞こえる?」

言われたとおりにしてみれば、耳に届くのは友の呼ぶ声。
思い出は美しい。だけど、ここには彼女たちはいない。
過去にとどまる限り、未来には進めない。

前を向きだした相田さんを、お祖母さんも優しく見送ってくれる。
いつかどこかでまた会える。
この「過去」は、相田さんがい続ける場所じゃない。

戻ってきた相田さんを見て、マシューさんは狂乱。
どうしてあの楽しい日々を捨てるのか。時間が止まってしまった者を置いて、先に進んで行ってしまうのか。
彼の正体は、あの思い出の日々の犬。
映画冒頭で、相田さんが「そんなことよりも」と話を遮った、あの犬でした。
置いていかれる者にとっては、どんな綺麗事も悲しく響く。

その犬の悲しい叫びは、相田さんの身を呈した行動により止められました。
流血というかつてないほどの大怪我を負いながらの語りかけに、マシューさん改めマシュマロさんも正気に。
過去には戻れない。確かに切り捨ててしまうものもある。だけど私たちは前に進むしかないんだ。

これを見て、マシュマロさんをそそのかしていた謎の黒幕ことクラリネットは未来への侵攻を開始。
ぶっちゃけクラリネットが黒幕だとか、それで何でいきなり未来を狙うのかは分かりませんが、まぁそういうものなんだろう。
直接「目の前にいるプリキュアを倒そう」とか考えなかったあたり、クラリネットさんも賢明というか、プリキュアさんの恐怖が浸透しているというか。

さて敵は未来に旅立った。それは分かったが、追撃手段がない。
そこで円さんはおっしゃった。なんだか良く分からないけれど、ミラクルライトを振れば奇跡が起こるらしい。
よしじゃあ振れ。力の限りに。

毎年毎年、ミラクルライトの演出には唸ってばかりですが今年もまた凄い。
「未来に送るため」ではあるけれど、今の相田さんらは未来において忘れられる側に回ります。
だって未来では、現在は過去なんだから。
実際、未来世界で出会った成長した相田さんらは、プリキュア能力を失っているように思えます。
謎生物たちは存在するようですが、クラリネットさんの襲撃を察知してる様子は全く見られません。

アイちゃんによって支給されたのも、未来を創る存在が赤ちゃんであることを思うと、ちゃんと筋は通ってます。
映画館でライトを振るのが基本的にお子様であることも効いてる。

大好きだったお祖母さん達と別れたように、中学時代の相田さんらは未来には存在できない。
そのまた未来の子供世代や孫世代になったら、相田さんが別れを告げられる側になる。
未来を守る行為は、いわばお祖母さんが行った「おまじないを伝える」ことと同等の行為。

覚悟を元に未来に乗り込んだ一行は、相田さんの結婚式をバックに最後の決戦へ。
その過程で、マシュマロさんは再び倒れ、天に召されてしまいます。
二度目の別れ。とてもとても悲しいことだけど、でもいつまでも過去とともにはいられない。
本当に、とても悲しいことなのだけれど。
そこまでしてどうして未来に進まなければいけないのかと、本当に心の底から嘆きたくはなるけれど。

でも前に進むしかない。

クラリネット:
 「私は蘇る。忘れられたものがいる限り」
相田さん:
 「でも」
 「あたしは」
 「負けない」

大切な人たちから注がれた愛は、私たちの中に残っている。
その愛を受け止めて、今度は次の世代に伝えていこう。
愛とウェディングドレスを残して旅立っていった、ゲスト謎生物やマシュマロくんのように。
私たちはひとりじゃない。
たとえ別れてしまっても。自分が別れを告げられる側になったとしても。


(左画像)
映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス テーマソング

(右画像)
映画 ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス オリジナル・サウンドトラック


【今年のプリキュアさん】

一言でいえば「幸福の王子 VS ドキドキプリキュア」。

楽しい思い出を提供して、後にボロボロになった王子を、街の人たちは切り捨てた。
それと同じことを、相田さんも私たちもやっている。
その「幸福の王子」からの復讐を描いた物語。

言うまでもなく、本編では相田さんが「幸福の王子」に喩えられています。
映画ではちょうど逆の立ち位置なのが面白い。
襲ってきたのはマシュマロさんでしたが、同じように、相田さんもいずれは(あんなに努力して貢献したにも関わらず)忘れられる日がやってくる。報われない「幸福の王子」。

本編ではちょうど、愛を受け取った人たちからの承認のフィードバックが描かれてます。
それを受けて、以前に感想で「幸福の王子から受け取った金箔で、豊かになった街の人たちが、再び王子像を再建する未来があっても良かったのかも」と書きましたが、映画を見た感じだと、この考えは間違ってそう。
受けとった愛を返すべきは、過去の王子ではなく、未来の子供たちだ。
ボロボロの王子像を、ただの感慨で無理に維持することよりも、未来に投資して次の世代へとつなげていく方が、多分王子の意思にも沿っている。
それなら結末が焼却炉行きだったとしても、あの物語はバッドエンドじゃない。

【今年のプリキュアさん2】

今年のプリキュアさんは、「ディケイド」よろしく各シリーズのエッセンスがあるかと思ってました。
その流れであえて言えば、今回の映画は「ディケイド VS ドキドキさん」でにあった。

・お祖母さん&犬:MH
・永遠に止まった未来:SS
・悪夢への埋没と、会いに行く人々:GoGo
・忘れられた思い出が敵:フレッシュ
・大切な過去が後悔の檻に:スイート
・メルヘンを継承する:スマイル

ハートキャッチさんがよく分からないですが、「目的や正体が不明のクラリネット」でしょうか。
詳しい事情は全く分からない。でも、せめてそうすれば救われるんじゃないか。
クラリネットさんの問題は、何も解決してないのだけど、でも確かに何かは変わったんだと思いたい。

【今年のプリキュアさん3】

二段変身は「エンゲージモード」。
何とのエンゲージなのか。
そのまんまで考えると、未来とのエンゲージかなと思った。

結婚は一人の相手を選ぶ行為。逆にいえば、それ以外の可能性を切り捨てる行為です。
未来を選んだ相田さんは、過去と別れることを選んだ。とても悲しくて寂しいけれど。
過去の象徴たるクラリネットさんに対し、未来とエンゲージした相田さんが対峙するシーンは、なかなか胸にくるものがありました。

【今年のプリキュアさん4】

意地でも岡田さんを出さないのは、敵が「忘れられた者たち」なのも相まって、もはや様式美の域。

ジコチューの皆さまはOPに友情出演。
ゴリラも出るよ!

【来年のプリキュアさん】

もはや恒例となった次回作。
来年春に「NS」の最終章が放映されるようです。
サブタイトルは「永遠のともだち」。ついに来たか。

再来年は更なる新シリーズがあるのか、それともこれが正真正銘の最終章かは分かりませんが、心してみたいです。

【今年の大泉学園】

今回、上映の前に「カウントダウンを行う」とのアナウンスが。
何かと思ったら、「盗撮防止のため」だそうで。
流出した場合に出所を特定するため?不要な音声を紛れ込ませることで価値を低下させる(そして結果的に流出を防ぐ)ため?
よく分かりませんが、その発想は全くなかったので、ちょっとした発見でした。
そうか、カウントダウンには、そういう意味もあるのか。

あと例年通り、Tジョイ大泉さんでは特設展が開催されてます。
同日、「まどか」さんも深夜上映を行っていましたが、そこはさすがに東映アニメ様のお膝元。
館内BGM等もプリキュアさんで、かなり力を入れてくれてました。次回にも期待しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする