同年代の方なら、おそらく大多数の人に影響を与えたであろう、例の番組の劇場版。
仕事を正当な手段で放棄した後に、平日昼から見てきました。
前回の「序」のときにも思ったけれど、学生だった当時とは視点が随分変わりました。
登場人物の言動も、製作スタッフさんの仕事ぶりも、全部自分に投影して見てしまう。
私も、懸命にエヴァ機体を支援してる彼らのように頑張ろう。私も、大人の遊び心満載で仕事に取り組んでるスタッフさんのように頑張ろう。
最近休暇が凄く充実して、良い感じで日常が回ってる気がする。
■ヱヴァンゲリヲン新劇場版「破」
初めに自分の所属を明白にしておきます。
長く弊ブログを見てくださってる方には見透かされてそうですが、私はアスカ派です。
アスカの姐さん、最高。
正直なところ、今回の新キャラさんには心動きました。
動くどころか心をサンドバックにされました。
途中でアスカの姐さんが不用意にデレてしまわれたときには、「今が乗り換えどきなのでは」と悩みました。
でもどうにか耐えました。
旧友の牧島さんとか裏切ってんじゃねーのかと思いながらも、でも耐えました。アスカの姐さん、最高。
あと感想記事を確認したら、旧友も裏切ってなかった。やっぱ姐さん、最高
彼女のハイスペックなのに器の小さいところや、見事なかませ犬っぷりが堪りません。
シンジくんも酷いですよ。あんな素敵な妙齢の女性が近くにいるのに、劣欲センサーは全力で無反応。
異性に奥手なだけかと思えば、綾波さんに物凄い勢いで急接近。これは、ひでぇ。
姐さんは登場したその瞬間から心がぶっ壊れるのはお約束なわけですが、なんかこうして改めて見てると壊れるべくして壊れてるなぁと。
あのスペックで信奉者が誰一人ついてないとはどういうことだ。
私がシンジくんの立場だったら、会って即座にひれ伏して「姐さん最高!姐さん最高!」とおだてあげ、彼女の安い虚栄心を満たしてあげるのに。
そうしたら彼女もあんなに不安定になって壊れなかったと思うんだ。
バッドエンドは回避しても、トゥルーエンドにはたどり着けない感じの選択肢ですが。
今回、姐さんが心を開いて打ち解けようとしてたのは、意外と嬉しかったです。
「エヴァ」って基本的に「登場人物が最善の行動を取ってればこんなことにならなかったのに」な話だと思います。
アスカさんもあんなにアホの子じゃなければ幸せにもなれてたろうにと思ってただけに、一歩踏み出した彼女は素敵でした。その直後、やっぱりかませ犬と化すあたりも含めて。
最善手をとれてないといえばシンジくん。
彼に対する「逃げるな」というのは無茶な要求のようだけど、実際、彼は逃げちゃってるのが大変よくない。
対アスカ戦でも棒立ちになってるだけで、戦略的に撤退しようとも、アスカを返せと突撃もしない。こりゃダメだ。
その判断を14歳のシンジくんに要求するのも酷だなぁとは思うものの、もどかしいですね。
今回見ててちょっと思ったのが、「エヴァ」の舞台構造はホラー映画と微妙に似てる。
主人公たちが立てこもった一軒家に、ゾンビが押し寄せてきて抵抗する、みたいな。
最初の危機を乗り切った後、若干のどかでほのぼのムードが漂うのだけど、些細な行き違いや不運で一気に瓦解とか。
話を盛りあげる演出上、どんな種類の映画でもこんな感じになるのかもしれませんけれど、この手の話を見るたびに、「しっかりしてくれ」ともぞもぞする。
だけどシンジくんって、いわゆる内気で弱気の少年じゃないところはちょっと面白いです。
綾波さんへの猛アタックぶりや、要所要所で決めてくるところは、ただの優柔不断少年ではありません。
パンフレットにも書かれてましたが、彼は確固たる意志で持ってダメな方向に走ってる。
自分にしか通じない理屈を盾に、世をすねてひきこもるタイプ。
扱いを間違えると、相当に面倒くさいことになる。
で、じゃあ導くべき大人はどうなのかといえば非常にいい加減。
特にミサトさんのダメっぷりは酷い。ことごとくコミュニケーション方法をミスってる。
その言葉はその人にとっては全くの逆効果でしかないなーてシーンが山ほど。
ただ自分自身がミサトさんの年齢になった今見てみると、大人サイドの方に感情移入してました。
まぁ14歳の少年少女相手に、ちゃんとコミュニケイトするなんて無理だ。
学生の頃はミサトさんたちは年齢的にも大人だと思ってましたけど、自分がその年になってみるとそんな高い要求されても困るなという感じ。
ミサトさんを初めとしてNERVってかなり適当組織なので、それを「リアルではない」と批判する意見を見たことがあります。
社会人になってみれば分かる。現場はあんなもんだ。
みんな適当にやってて、でもどうにかやっていってる。「序」を見た時にも思いましたけど、今回もその辺の描写が逆にリアルに感じました。
社会人ネタと言えば、端々のUCCさんが格好良かった。
パンフレットのCMも格好いい。ローソンさんも素敵。
今回、箱根の観光協会が全面協力したことも話題になってましたが、スタッフロールに名称が出てた時は妙に歓声を上げたくなりました。
なんか映画全体から、大人が全力で悪ふざけしました感が伝わってきた。
こういうのは熱い。劇中で必死になってエヴァを出撃させて、そして後は任せたとばかりに見守ってる人々と、製作スタッフさんが凄くダブる。
ついでに書けば、私たち自身のこの10年間の歩みともダブる。
ここしばらく「プリキュアオールスターズ」や「仮面ライダーディケイド」等々、リメイクやお祭り企画が賑やかで、どれもこれも素晴らしい。
焼きなおしや使い回し、ネタ切れ云々と幾らでも悪くは言えますが、そんな意見が狭量に思えます。
一度最後までやって答えが分かった上で、もう一度やり直してんだから、良いものにならないはずがない。
しかも余計なものや面倒臭い部分を切り捨てて、美味しい所だけを使えるんだから超贅沢。万歳。
そもそも例えば演劇の世界では、同じ脚本を何度も演じるわけですよ。その度に演出もシナリオも出演者も変わる。
これをアニメでやってはいけない理由はない。
「エヴァ」は実質2,3周目くらいのリメイクですけど、まだまだもっと色んなものが見れそうな気がするし、見たい。
リメイクなので、当然期待されてるサービスカットやお約束の展開は出てくる。
でもその上で、原典を越えて行ってるのが素晴らしい。
「以前は綾波を救えなかったシンジが、今度は明確に意思を持って救済に成功する」とか。
その直前に「使途に取り込まれた」という同じようなシチュエーションで見捨てられてるアスカ姐さんが素敵に無残ですが、その辺りは微笑ましく見守りたい。
「アスカは救えなかったけど今度こそは」みたいな表現すらなし。
姐さん、本当に居場所が無ぇ。
そのアスカの復活カットが流れた次回予告には狂喜しました。
姐さんはハイスペックなのに、一人で自滅して崖から落っこちる子。そして崖下で体育座りして虚ろな目をしてるのが似合う子。
でもきっといつか、崖から這い上がってくれると信じてた。というか見たかった。
数多の同人誌の定番ネタ「崩壊した後の世界のシンジやアスカ」ですが、とうとう本家でもそれをやってくれる。
見たかった何某が実現するって、良いなぁ。
前回と今回で「リメイク」として必要な前提ノルマは果たした感じ。
次回以降は「その続き」が見られそうな予感がします。
凄く楽しみ。何年後になるんだろう…。
まぁ身も蓋もないことを書くと、適当に挿入歌流して、適当にキャラを酷い目に遭わせれば「凄い映画だ」という印象を与えることには成功します。
結構、そのノリに騙されてる部分はある。
でもそういう部分も「ギャグ」として受け入れて、大笑いしながら見る映画だと思った。
学生当時に見た時は、世界設定だとか謎だとかが気になったものですが、今となってはどうでもいいですね。
個人的に思うに、「それっぽい」伏線や謎単語は「語感が気持ちいい」から使ってるだけであって、大した意味はないし明かす必要もない事柄だと思う。
これらは「エヴァがどういう科学的根拠で稼働してるのか」等が「まぁ何か凄い技術なんだ」でスルーされているのと同様、適当に聞き流せばいい部分じゃなかろうか。
私的にはそういったストーリー的な部分よりも、リメイク特有のノリや作ってる人たちの熱さの方が印象に残りました。
まぁ「プリキュア」さんや「ディケイド」見てても同じこと思うわけですけど。
劇中のミサトさんの台詞「総力戦よ!」は、まさにその通りだと思った。
アニメ放映から10年以上、その間に起こった事柄や人々の総力戦。遊び心満載で戦う人々は、やっぱり格好いい。
こういうのは長年続いてるコンテンツ出ないとできない強みだなぁ…。
仕事を正当な手段で放棄した後に、平日昼から見てきました。
前回の「序」のときにも思ったけれど、学生だった当時とは視点が随分変わりました。
登場人物の言動も、製作スタッフさんの仕事ぶりも、全部自分に投影して見てしまう。
私も、懸命にエヴァ機体を支援してる彼らのように頑張ろう。私も、大人の遊び心満載で仕事に取り組んでるスタッフさんのように頑張ろう。
最近休暇が凄く充実して、良い感じで日常が回ってる気がする。
■ヱヴァンゲリヲン新劇場版「破」
初めに自分の所属を明白にしておきます。
長く弊ブログを見てくださってる方には見透かされてそうですが、私はアスカ派です。
アスカの姐さん、最高。
正直なところ、今回の新キャラさんには心動きました。
動くどころか心をサンドバックにされました。
途中でアスカの姐さんが不用意にデレてしまわれたときには、「今が乗り換えどきなのでは」と悩みました。
でもどうにか耐えました。
旧友の牧島さんとか裏切ってんじゃねーのかと思いながらも、でも耐えました。アスカの姐さん、最高。
あと感想記事を確認したら、旧友も裏切ってなかった。やっぱ姐さん、最高
彼女のハイスペックなのに器の小さいところや、見事なかませ犬っぷりが堪りません。
シンジくんも酷いですよ。あんな素敵な妙齢の女性が近くにいるのに、劣欲センサーは全力で無反応。
異性に奥手なだけかと思えば、綾波さんに物凄い勢いで急接近。これは、ひでぇ。
姐さんは登場したその瞬間から心がぶっ壊れるのはお約束なわけですが、なんかこうして改めて見てると壊れるべくして壊れてるなぁと。
あのスペックで信奉者が誰一人ついてないとはどういうことだ。
私がシンジくんの立場だったら、会って即座にひれ伏して「姐さん最高!姐さん最高!」とおだてあげ、彼女の安い虚栄心を満たしてあげるのに。
そうしたら彼女もあんなに不安定になって壊れなかったと思うんだ。
バッドエンドは回避しても、トゥルーエンドにはたどり着けない感じの選択肢ですが。
今回、姐さんが心を開いて打ち解けようとしてたのは、意外と嬉しかったです。
「エヴァ」って基本的に「登場人物が最善の行動を取ってればこんなことにならなかったのに」な話だと思います。
アスカさんもあんなにアホの子じゃなければ幸せにもなれてたろうにと思ってただけに、一歩踏み出した彼女は素敵でした。その直後、やっぱりかませ犬と化すあたりも含めて。
最善手をとれてないといえばシンジくん。
彼に対する「逃げるな」というのは無茶な要求のようだけど、実際、彼は逃げちゃってるのが大変よくない。
対アスカ戦でも棒立ちになってるだけで、戦略的に撤退しようとも、アスカを返せと突撃もしない。こりゃダメだ。
その判断を14歳のシンジくんに要求するのも酷だなぁとは思うものの、もどかしいですね。
今回見ててちょっと思ったのが、「エヴァ」の舞台構造はホラー映画と微妙に似てる。
主人公たちが立てこもった一軒家に、ゾンビが押し寄せてきて抵抗する、みたいな。
最初の危機を乗り切った後、若干のどかでほのぼのムードが漂うのだけど、些細な行き違いや不運で一気に瓦解とか。
話を盛りあげる演出上、どんな種類の映画でもこんな感じになるのかもしれませんけれど、この手の話を見るたびに、「しっかりしてくれ」ともぞもぞする。
だけどシンジくんって、いわゆる内気で弱気の少年じゃないところはちょっと面白いです。
綾波さんへの猛アタックぶりや、要所要所で決めてくるところは、ただの優柔不断少年ではありません。
パンフレットにも書かれてましたが、彼は確固たる意志で持ってダメな方向に走ってる。
自分にしか通じない理屈を盾に、世をすねてひきこもるタイプ。
扱いを間違えると、相当に面倒くさいことになる。
で、じゃあ導くべき大人はどうなのかといえば非常にいい加減。
特にミサトさんのダメっぷりは酷い。ことごとくコミュニケーション方法をミスってる。
その言葉はその人にとっては全くの逆効果でしかないなーてシーンが山ほど。
ただ自分自身がミサトさんの年齢になった今見てみると、大人サイドの方に感情移入してました。
まぁ14歳の少年少女相手に、ちゃんとコミュニケイトするなんて無理だ。
学生の頃はミサトさんたちは年齢的にも大人だと思ってましたけど、自分がその年になってみるとそんな高い要求されても困るなという感じ。
ミサトさんを初めとしてNERVってかなり適当組織なので、それを「リアルではない」と批判する意見を見たことがあります。
社会人になってみれば分かる。現場はあんなもんだ。
みんな適当にやってて、でもどうにかやっていってる。「序」を見た時にも思いましたけど、今回もその辺の描写が逆にリアルに感じました。
社会人ネタと言えば、端々のUCCさんが格好良かった。
パンフレットのCMも格好いい。ローソンさんも素敵。
今回、箱根の観光協会が全面協力したことも話題になってましたが、スタッフロールに名称が出てた時は妙に歓声を上げたくなりました。
なんか映画全体から、大人が全力で悪ふざけしました感が伝わってきた。
こういうのは熱い。劇中で必死になってエヴァを出撃させて、そして後は任せたとばかりに見守ってる人々と、製作スタッフさんが凄くダブる。
ついでに書けば、私たち自身のこの10年間の歩みともダブる。
ここしばらく「プリキュアオールスターズ」や「仮面ライダーディケイド」等々、リメイクやお祭り企画が賑やかで、どれもこれも素晴らしい。
焼きなおしや使い回し、ネタ切れ云々と幾らでも悪くは言えますが、そんな意見が狭量に思えます。
一度最後までやって答えが分かった上で、もう一度やり直してんだから、良いものにならないはずがない。
しかも余計なものや面倒臭い部分を切り捨てて、美味しい所だけを使えるんだから超贅沢。万歳。
そもそも例えば演劇の世界では、同じ脚本を何度も演じるわけですよ。その度に演出もシナリオも出演者も変わる。
これをアニメでやってはいけない理由はない。
「エヴァ」は実質2,3周目くらいのリメイクですけど、まだまだもっと色んなものが見れそうな気がするし、見たい。
リメイクなので、当然期待されてるサービスカットやお約束の展開は出てくる。
でもその上で、原典を越えて行ってるのが素晴らしい。
「以前は綾波を救えなかったシンジが、今度は明確に意思を持って救済に成功する」とか。
その直前に「使途に取り込まれた」という同じようなシチュエーションで見捨てられてるアスカ姐さんが素敵に無残ですが、その辺りは微笑ましく見守りたい。
「アスカは救えなかったけど今度こそは」みたいな表現すらなし。
姐さん、本当に居場所が無ぇ。
そのアスカの復活カットが流れた次回予告には狂喜しました。
姐さんはハイスペックなのに、一人で自滅して崖から落っこちる子。そして崖下で体育座りして虚ろな目をしてるのが似合う子。
でもきっといつか、崖から這い上がってくれると信じてた。というか見たかった。
数多の同人誌の定番ネタ「崩壊した後の世界のシンジやアスカ」ですが、とうとう本家でもそれをやってくれる。
見たかった何某が実現するって、良いなぁ。
前回と今回で「リメイク」として必要な前提ノルマは果たした感じ。
次回以降は「その続き」が見られそうな予感がします。
凄く楽しみ。何年後になるんだろう…。
![]() | (左画像) emotion style 式波 アスカ ラングレー (右画像) UCC ミルク&コーヒー缶250g(30缶入)ヱヴァ缶☆2009 30本入 | ![]() |
まぁ身も蓋もないことを書くと、適当に挿入歌流して、適当にキャラを酷い目に遭わせれば「凄い映画だ」という印象を与えることには成功します。
結構、そのノリに騙されてる部分はある。
でもそういう部分も「ギャグ」として受け入れて、大笑いしながら見る映画だと思った。
学生当時に見た時は、世界設定だとか謎だとかが気になったものですが、今となってはどうでもいいですね。
個人的に思うに、「それっぽい」伏線や謎単語は「語感が気持ちいい」から使ってるだけであって、大した意味はないし明かす必要もない事柄だと思う。
これらは「エヴァがどういう科学的根拠で稼働してるのか」等が「まぁ何か凄い技術なんだ」でスルーされているのと同様、適当に聞き流せばいい部分じゃなかろうか。
私的にはそういったストーリー的な部分よりも、リメイク特有のノリや作ってる人たちの熱さの方が印象に残りました。
まぁ「プリキュア」さんや「ディケイド」見てても同じこと思うわけですけど。
劇中のミサトさんの台詞「総力戦よ!」は、まさにその通りだと思った。
アニメ放映から10年以上、その間に起こった事柄や人々の総力戦。遊び心満載で戦う人々は、やっぱり格好いい。
こういうのは長年続いてるコンテンツ出ないとできない強みだなぁ…。