Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

Dear フランキー

2006-05-31 00:05:39 | 映画 た行
耳が不自由な9歳の少年フランキー(ジャック・マケルホーン)は母リジー(エミリー・モーティマー)と祖母ネル:リジーの母(メアリー・リガンズ)と三人でスコットランドで引越しを繰り返しながら暮らしている。彼の父親は世界中の海を旅する船乗りで彼と父親を結ぶ唯一の絆は「手紙」。ある時、父の乗るACCRA号が姿を現す。胸躍らすフランキー、困惑するリジー。実は父が船乗りであるというのは嘘なのだ。フランキーが受け取る手紙も実はリジーが書いている。

静かにしみじみとこちらに語りかけてくるような作品だった。スコットランドの風景が美しく、どこか寂しげにも見え、海の香りが漂う。
リジーはフランキーを守り、フランキーはリジーを思い、ネルはリジーの身を案じている。結局リジーは一日だけ父親役を演じてくれる人物を友人のマリーの助けを借りて探し出す。その偽パパ「ストレンジャー」(ジェラルド・バトラー)とフランキー、リジーとの一日、おずおずとした出会いから、次第に心触れ合ってゆく三人。偽パパとフランキー、父と息子としての交流は印象的だった。手渡された水切りの石を愛しそうにそっとポケットにしまいこむフランキー、二人で眺めるタツノオトシゴ、これらの小さなエピソードが積み重ねられ、それがまた見ている側の心にも積み重ねられていくように感じられる。この後、彼らがどうなっていくかは語られないのだけれど、それも自然でよかった。

監督:ショーナ・オーバック
出演:エミリー・モーティマー/ジェラルド・バトラー/ジャック・マケルホーン/シャロン・スモール/メアリー・リガンズ

2004年/イギリス/102分(DVD) *公式HP
コメント (2)
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