Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

武満徹 Visions in Time展

2006-05-04 00:12:00 | 展覧会・建築・器
新宿初台の東京オペラシティーアートギャラリーで開催中の『武満徹 Visions in Time展』(会期6月18日まで)を見に行く。
            
これは「武満徹没後10年特別企画」という展覧会でまさにカタログに記されている
音楽を視る。美術を聴く。瑞々しい世界がそこにある。
という彼の世界に触れることができる。
彼と交流のあった実に様々な人、その作品、好奇心の多様性に圧倒される。また、彼が音楽を手がけた映画は100本あまりを数えるという事で、特設シアターが設けられ「タケミツ・ゴールデン・シネマ・ウィーク」と題して25作品が上映されている。(4月29日~5月7日まで)
             
今日行った時に見ることができたのは『京』というドキュメンタリー作品。ついつい音楽より画像に目を奪われてしまったけれど、決して映像を邪魔しない、それでいてきっちり音楽はそこにある、という感じだった。しかし、京都は美しい、日本は美しいと改めて思う作品だったなぁ!

彼の自筆譜も多数展示されているのだが、それがまたはっとするほど整然として美しい。ここから音が鳴るのね~♪しかし、この譜面を書いているときに全ての音が見え音が聞こえてるのだろうなと思うと、ただただ、すごい、という思いに打たれた。「ノヴェンバー ステップス」の譜面では、琵琶の譜面というのを初めて見て「うわっ!これってタブラチュアじゃん」と吃驚した。
また、図形楽譜も展示されているのだがこれは一体どういう音楽が奏されるの?絵画じゃ~♪これ、もし渡されたらどうしよう!という感じ。チラシの裏に載っていた「武満徹、杉浦康平<弦楽のためのコロナⅡ>」↓
           
指示書には奏法のほか「一音を充実した、生命感に溢れたものとして把握するためのエチュード」とある。これって、恐い指示だ~!!背筋がピンとなるようだった。
会場内には、彼の机も展示されているんだけれど、鉛筆はその長さの順にきちーっと並んでいて、その芯の上には消しゴムがこれまた長さ順にきちーっと並んでいて思わずふふっとなった。神経質な方だったのだろうなって。
とにかく、充実した展覧会で満足した一日となった。
コメント
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