Casa de lápiz:鉛筆庵

鉛筆庵に住む鍵盤奏者が日々の生活の徒然・音楽などを綴ります。

ノーマンズ・ランド

2005-11-07 00:31:39 | 映画 な行
先日鑑賞した「アワー ミュージック」にはサラエヴォが登場していたが、東欧という地域のここ何年かの混乱・戦闘・紛争が正直よくわからない。それまで存在していた国がある日消失し、新たな国々となっているという現実は私の理解をとうに越えている。ただ、TVの向こうにその悲惨さ、酷さ、憎しみが渦巻くのを安全な場所にいられることをしかと感じつつ眺めるのみなのだ。

そんな訳のわからん私が今夏DVDで見た「ノーマンズ・ランド」(大分、日にちが経ってしまっているが・・・)
題名の「ノー・マンズ・ランド」とは中間地帯、1993年、ボスニアとセルビアの中間地帯に何故か取り残されてしまったボスニア軍兵士チキとセルビア軍兵士ニノの二人。彼らは突き詰めると何故戦うのか、何のために憎み合うのか分からないのだが、現実に敵として対峙している。激しい緊張感の中に話は展開するのだが、全編を通じユーモアが底流に流れている。だから余計に戦争の酷さに胸が引き裂かれる。戦争が何も生み出すことの無い、恐ろしいほどの虚無感をユーモアがあるからこそ余計に強く感じる。彼らを取り巻く国連防護軍の無力さ、マスコミの狂奔ぶりにも大いに笑わせられる。

今でも印象深く思い出される笑っちゃった場面の一つは爆弾処理のエキスパートであるドイツ人が、周りが来ない来ないと気を揉んでいる時に、ぴったりの時間に現れるとこかな世界中でドイツ人がどういう風に捉えられているかが顕著にわかって可笑しかった。
忘れられない映画です。  *ノーマンズ・ランド公式HPこちら

2001年/フランス=イタリア=ベルギー=イギリス=スロヴェニア/98分
監督・脚本・音楽:ダニス・タノヴィッチ
出演:ブランコ・ジュリッチ(チキ)
   レネ・ビトラヤツ(ニノ)

ノー・マンズ・ランド

ポニーキャニオン

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