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(目にとまった記事の紹介)『太陽光を遮断して地球を冷やす提案が撤回された』

2024-03-03 09:58:23 | 環境問題
(目にとまった記事の紹介) 『太陽光を遮断して地球を冷やす提案が撤回された』(Deutsche Welle,2024年3月1日)

ナイロビ:この木曜、国連代表団は地球温暖化対策として太陽光を宇宙に跳ね返すという技術を更に推進していくことを求める決議議案を撤回した。本技術が健康と環境上のリスクに影響が出ることを懸念しての動きである。

国連環境総会(UN Environment Assembly,UNEA)で、この決議草案に反対する人々は、太陽光修正技術(solar radiation modification,SRM)の利用が、巨大な汚染事業者らに対して彼らの責任が免責されてしまうことに繋がるのではないか、と懸念していると会議を傍聴していた団体らが発言している。

スイスとモロッコとが12月に初めてこの地球工学的技術の検討を要請する決議を上程しており、今週ナイロビの総会でこの問題について協議されていた。

当初の草案では専門家らの招集が要望され、彼らの手になるリスクと倫理上の考察を加えたSRMの、可能性があり、そして妥当な利用法に関する報告書が作成されることが要望される、ということが念頭に置かれていた。

この技術を使っての最も知られている利用法の一つが、冷却用反射材としてSO2を用いて、それを大気圏のかなりの上層に噴霧するというものである。
わずか数件の小規模SRMプロジェクトが実施されているだけの状況である。
そして研究者の中には、気候変動の臨界点越えを避けることが必要となった際にSRMは運用可能だと指摘している人もいる。

批判的立場の人たちは、天候と農業とに悪影響が起こり得るとし、殊に貧困国にその影響が大きく生じるだろうことを懸念している。
彼らはSRMが温室効果ガス排出削減活動のスピードを遅らせる言い訳・方便に利用されることもまた懸念している。

直近の2週間にわたる6回の改訂版作成の後、木曜日にこの決議案は撤回された。

スイス連邦環境局のRobin Poll報道官は、「SRMに関する情報への利用しやすさ改善という議案に各国が反対している。そして収集する情報にSRMのリスクと不確実性に焦点を当てるべきかどうかという点、あるいは潜在的な利点をも同様に含めるべきかどうかという点で、各国は反対している。」
「UNEAが、この重要な議題に結論を出せられなかったことは残念なことである。しかし、ここで行われた議論には多くの、そして有益な情報が含まれており、この重要な課題に関する国際的な討議を我々は開始したのである。」とPoll報道官は指摘している。

ケニアの気候問題代表のAli Mohamedさんは、アフリカ諸国がこの決議に反対している、としている。
「この科学技術はまだ開発の黎明期であり、潜在するリスクは充分解明されてはいない」とMohamedさんは語る。

「現時点で、温室効果ガス規制には数多くの解決策がある」

国際環境法センター(The Centre for International Environmental Law,CIEL)によれば、EUと太平洋島嶼諸国とコロンビアそしてメキシコが決議に反対しているという。

「これらの技術は気候危機の根本の原因を解決していくことには繋がらず、反対に主要なGHG排出事業者らが化石燃料の段階的廃止という緊急の必要性を遅らせるような目的でこの技術が使われることになるだろう」とCIELの上級地球工学キャンペーン担当のMary Churchさんは指摘している。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
yo-chan
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