老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

94年前「九月東京の路上で」起きたこと、と小池都知事の発言

2017-08-30 21:02:26 | 民主主義・人権
小池都知事は、関東大震災の時に虐殺された朝鮮の方々に対しての追悼文を拒否すると言い出した。

私は以前この掲示板で、加藤直樹氏が書いた「九月東京の路上で」という本を取り上げた。著者の加藤氏は、膨大な資料を調べ遺族の方達の話を聞き、大震災にみまわれた東京で何が起きていたかを丁寧に描いていた。そこに繰り広げられた世界は、未曾有の大災害直後の東京で、官が広報した誤った情報と大震災の恐怖にかられ、不安と恐れ焦躁感の中で朝鮮の方々を虐殺していった日本人の姿だった。

大震災の時は思わぬ流言庇護が流れる。普段は冷静に考えられても、その時どのような行動に出るか、私も自信はない。しかし、相手はゾンビや魑魅魍魎ではない。大震災など予めいつどこで起きるか分かるはずもなく、大震災の直後など、自分の身を守るだけで精一杯なのではないか。

素直に過ちは認めれば良いのだ。「私達日本人がアジアの人達に対して取り返しのつかない事をしてしまった」と悔い改めるのだ。それを認めようとしないからおかしな事になるのだ。

人は誤ちを犯すもの。国もまた過ちを犯す事がある。しかし、国が一度誤るとその影響、被害は個人の比ではない。だから誤ちは悔い改めよう、まだ引き返せる内に。

千田是也という俳優がいた。亡くなってしまったが、名優であった。彼が学生だったとき、関東大震災を体験し、たくさんの朝鮮人が殺されるのを見た。自分もまた、間違えて殺されそうになった。いや自分もまた殺す側の人間になるとところだった。それから自戒を込めて「千駄ヶ谷のコレアン」「千田是也」という名を名乗ったのだそうである。

小池都知事の辞書に「自戒」という文字はないのだろうか。沖縄、福島、朝鮮の事に興味も関心もない人は他人事だと思っているのだろうか。ミサイルを打った北朝鮮だけは恐れ兼悪感を持っているかも知れないが。

日本という国の過ちを認めたくない人々は、無関心だったり興味を持たない人の心にスッと入り込み、今回のミサイル打ち上げのような事が起きると、勇ましくあるいは味方のような顔をして、人々を煽動しようとする。あるときは、爽やかに。あるときは華やかに。その姿に目を奪われてはいけない。いつか私達が棄民されるときが来るかも知れない。

今回の小池都知事の発言と、94年前の「九月東京の路上で」起きた事は繋がっている。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
パンドラ
コメント (3)
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