老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

最高裁判所は人権の砦か? 

2016-04-02 11:37:29 | 民主主義・人権
世情、最高裁判所は『人権の砦』などと喧伝されるが、本当にそうだろうか? 実相はどうだったろうか? 又、その喧伝に悪意はなかったのか?と迄も…。では、現在の法制度の下、基本的人権を確保し、擁護し、尊重を進める行政機関、国家機関はあるだろうか?
 
最高法規、日本国憲法では、40条に亘る人権宣言ともいうべき条文があります。誰が、この実現を担当・担保しているのでしょうか。現在の日本の法制(法の支配)に於いては、特段の手当てをしていないと言わざるを得なません。少なくとも、憲法上の位置づけに相応しい組織はないといえるでしょう。それは、戦後の歴代の政府が、“人権の府”“人権の砦”などという組織を好ましいと考えなかったから、でしょうか。
 
さて、この度、最高裁判所が、ハンセン病に関わる隔離病棟内に設けた「特別法廷」について謝罪する運びとのことです。裁判の公開の原則違反、憲法違反との誹りも受けているが、これには、どう答えるのでしょうか?
 
もう一つ、このニュース、一部の新聞では報道されているようですが、テレビは今のところ音無しです。どうしたことでしょう? 裁判の公開といっても、マスメディアが取り上げ、主権者に報告、報道することがなければ、主権者には、知る由もないというのに。それとも、後日を期して、只今、充電中なのでしょうか。
 
ハンセン病の歴史には、長くて、差別的で、過酷な人権侵害がありました。実態的に、被害者のみならず、家族、親族へも隠秘を強いたのです。それは、政府による人権侵害です。三権を巻き込む、恥ずべき、日本の過去です。しかも、未だ被害者は救済されず、問題解決されていない。真に、遺憾です。
 
それに、どうしてかくも超長期に亘り、人権侵害が放置されてしまうのでしょうか? 本件に関わる三権のうち、立法府と内閣は非を認め謝罪したとのことですが、これまで、最高裁判所はこれをしてこなかったのです。
 
70年余も、人権侵害を放置する『人権の砦』なんて、ありますか??? 極めて遺憾な、人権(ある意味、主権者の権利)尊重を旨とする日本国憲法下にあって、ありえないこと、あってはならぬことではないでしょうか。
 
基本的人権(人権)の尊重を確実にするためには、常時稼働する、常設の特別の行政組織が必要ではないでしょうか。違憲判決を待たなくても、憲法裁判所など、憲法に設けなくとも、法律で設置できることではないでしょうか?その気さえあれば、即できる!主権者や内閣に、その気があれば、の話でしょうが。

主権者は、これを要求するでしょうか!? 

 ☆資料添付
隔離法廷 最高裁が謝罪を検討: ハンセン病の隔離法廷、最高裁が誤り認め謝罪へ 3/31  
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6196221
ハンセン病、最高裁謝罪へ ロイター 3/31  
http://jp.reuters.com/article/idJP2016033101000889
隔離法廷、最高裁謝罪へ ハンセン病めぐる検証 朝日新聞 3/31  
http://www.asahi.com/articles/ASJ303GJBJ30UTIL00D.html
∥ハンセン病のリンク集∥ 判決全文<Ⅰ> <Ⅱ><Ⅲ>  
http://www.geocities.jp/libell8/hanketu-1.htm
法学館憲法研究所 日本国憲法の逐条解説  
http://www.jicl.jp/itou/chikujyou.html
望ましい国内人権機関:『人権委員会設置法』法案要綱・解説  
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/resource/law/kokunaijinken.html

「護憲+コラム」より
蔵龍隠士
コメント (1)
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