「北朝鮮は自民大敗を願っている」森元首相、金沢で演説(読売新聞)
政府高官や自民党幹部から25日、参院選で安倍首相が率いる自民党が敗北すると北朝鮮を利する結果になる、として自民党への支持を訴える発言が相次いだ。
森元首相は金沢市での街頭演説で、「北朝鮮は安倍さんが(参院選で大敗し)つぶれてくれることを願っている。そんな北朝鮮の不埒(ふらち)なやり方に黙っていてはいけない。安倍さんを勝たせるしかない」と述べた。
相変わらず森さんは率直ですね。裏表がない人です。
それはさておき、昨日はロシアのネタ、ゴルバチョフやエリツィン、プーチンの評価が国内と国外では正反対ということを取り上げました。では、将軍様や自民党政府は国内と国外で評価にどの程度の違いがあるのでしょうか?
北朝鮮がミサイル実験を行った結果、日本国内における安倍内閣の支持率は一時的に跳ね上がりました。発足当初の安倍内閣としては幸先の良いスタートに感じられたのでしょうか、麻生外相曰く「金正日に感謝しないといけないな」と。首相就任以前の安倍氏にしたところで、人気の源泉は拉致問題への対応にありました。拉致があったからこそ信望を集められたと言えます。
小泉純一郎が「抵抗勢力」という敵を描き出し、それに立ち向かうイメージを作り出したことで支持を集めたように、時に味方ではなく仮想敵の存在こそが最大の支持基盤となることもあります。それは喩えるなら凧と向かい風のようなものでしょうか、自分に向かって吹き付けてくる風があるからこそ凧は空高く舞い上がることができるのであり、吹き付ける風がなければ凧は地面に墜落してしまいます。そして安倍内閣にとっての向かい風がすなわち北朝鮮なのではないでしょうか。
逆に、将軍様にとっても向かい風が必要、それは日本である必要性はないかもしれませんが、ともあれ北朝鮮を圧迫する仮想敵を必要としているとしたらどうでしょう。強大な諸外国に圧迫される自国、脅かされる自国という立場が、自国民に困窮を前にした忍耐と団結を訴えかけ、強敵に敢然と立ち向かう指導者としての正当性を付与しているのではないでしょうか。そうした面では、強硬論一辺倒の「新しい自民党」こそが(「古い自民党」は全く逆です)北朝鮮政府にとっては最も好ましい「向かい風」のように私には思われるのです。
自民党政府と北朝鮮政府は互いに追い風を送りあい、凧揚げに協力し合う関係でした。昨今はその北朝鮮に派手な動きがないこともあって自民党という凧は凋落の一途ですが、それでも両者の関係は変わっていません。だからもし、北朝鮮政府を利することを恐れるならば、自民党政権には早々に退陣を願った方がよいでしょう。もっとも、北朝鮮政府ではなく北朝鮮国民に刃を向けたいなら話は別ですが。
参院選後「ノーサイドで」=自民リーダーは当選9~7回-森元首相(時事通信)
自民党の森喜朗元首相は27日午後、京都市で講演し、参院選後の国会運営に関し「(自民、民主両党が)協力できるテーマはいっぱいある。選挙が終わればノーサイドにして、仲良く日本のために何をやるかということに政治(の方向)を向けていくことが、国民に安心感を持たせることになる」と述べた。
森氏はまた、「これからの自民党のリーダーはおおむね(衆院)当選9~7回でずっといく。この辺りがたくさん残っていかないと自民党や日本の政治がおかしくなる」と語った。安倍晋三首相(党総裁)は当選5回だが、将来的にはより経験を積んだベテランが党運営の中核を担うべきだとの考えを示したものだ。
もう一つ森さんの率直きわまりない発言。この人は本当に裏表がないので本心の吐露と受け取って良いでしょう。後半部分にもツッコミどころ満載ですが、とりあえずは前半部の「選挙が終わればノーサイド」発言に我々は注意しておく必要がありますね。都知事選が終わればノーサイド、そんな関係も一部ではあるわけでして、これは決して森氏の思い描いた甘い未来予想ではなく、実際にあり得ること、選挙で自民党が大敗しても、状況によっては自民党と民主党が仲良く手を携える可能性もある、それは念頭に置いておかねばならないでしょう。
>選挙が終わればノーサイドにして、仲良く日本のために何をやるか・・・
日本のため→われわれ政治家としての利権利益を求めて。
プロ野球政治リーグに自民球団・民主球団などがあり巧妙な八百長試合がいまだに続いているようなものです。かつての自民社会の対立の時代から同じようなもの?です。
管理人さん指摘のとおり選挙後の動きもプロ野球のトレードレベルから球団買収規模までありそうです。
参照させていただきました。不都合であれば、ご面倒ですが、ご一報ください。
再編でしょうね。小ぶりになるかそうでないのか分かりませんが。もっとも、すでに再編などどうでもよい程度に現状はあるのですが。小選挙区のもとでの二大政党制とはさすがに悪さをしますね。
自民党には大敗してもらわねばなりませんが、取って代わるのが第二自民党であっては意味がありませんからね。特に民主党は、よく候補者を吟味した上で選びませんと・・・
>tatu99さん
社会党が健在の時代と現代では少なからぬ違いがあるとは思いますが・・・ 同じ根から出ている政党もあれば、きっぱり政府与党と対決してきた政党も少数派ではありますが存在しますので、そちらに頑張っていただきましょう。
>これお・ぷてらさん
貴ブログでの御紹介ありがとうございました。どうぞ遠慮無く参照してください。
さて、自民党が自滅行為を続けているだけに好機ではあるはずなのですが、この好機に躍進すべき自民党と対決してきた政党が脇に追いやられてしまう、口惜しいところがありますね。
安倍首相には「ハンサム」として女性人気を集めた過去の栄光もありますが・・・今でも安倍首相を「ハンサム」と持ち上げる人っているんでしょうかねぇ? このまま北朝鮮がおとなしくしている限り、安倍首相の浮上の目はないかもしれませんね。逆に北朝鮮が何かやらかすとなると再び安倍首相が舞い上がる可能性もあるでしょうか、北朝鮮そのものよりもその影響の方が怖いかも。