心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

古本を通じて半世紀前の私に出逢う

2021-08-01 10:41:21 | 古本フェア

 今年もあっという間に8月、葉月を迎えました。8月生まれの子に「葉子」と名づけたのは何十年も前のことです......。昨日は午前中に山本能楽堂でお能の講座(謡とお囃子の巻)を受講、夕刻にはザ・シンフォニーホールで「オールバッハ名曲選!! 真夏のオルガンコンサート2021」(オルガン奏者:大木麻理さん)を楽しみ、久しぶりにゆったりまったりの時間を過ごしました。
 余談ながら、この日の夕食は福島駅界隈にある淡路島の穴子屋さんで美味しい穴子料理をいただきました。地酒を味わいながらの外食なんて1年ぶりのことでしたが、残念ながら明日から緊急事態宣言が再度発令されます。コロナ対策は万全だったお店なのに残念なことでした。とはいえ、穴子とバッハ?、何の脈絡もありませんね(笑)。 さてさて、3年前の2月に世界ラン展からお連れしたバンダ(Vanda Pure Wax Pink)が、先日やっと花開きました。花芽に気づいて1カ月。我が家で初めて開花したバンダの姿に見惚れるばかりです。
 それにしても暑いですねえ。先週の講座のテーマは俳句でしたが、受講生の実作で圧倒的に多い季語は「蓮」、ついで「蝉」「西瓜」でした。そう言えば、大川沿いを朝お散歩していらっしゃる知人から「蝉の鳴き声が喧しい」とのメールをいただきました。なにやら最近はクマゼミが大繁殖しているようです。子どもの頃はアブラゼミやミンミンゼミが多かったのですが、これも温暖化のせいでしょうか?物悲しいヒグラシの声が山間に響く晩夏が待ち遠しいです。
 そんな真夏のある日、阪神百貨店の催事場で開催された夏の「古書ノ市」に行ってきました。最終日とあって人は疎らでしたが、百貨店の古書展とあって1冊1冊の本がきれいに手入れされていて気持ちよく選書ができました。
 この日手にしたのは「能・狂言辞典」(平凡社)、別役実著「当世もののけ生態学」(早川書房)、高村薫著「空海」(新潮社)、そして我が師・脇圭平と芦津丈夫の共著「フルトヴェングラー」(岩波書店)の4冊。〆て2300円なり。
 「当世もののけ生態学」は、夏を迎えて子どもの頃、近所のお爺さんから夜な夜な怖~いお話を聞いたことを思い出しての衝動買いでした(笑)。
 岩波新書評伝選「フルトヴェングラー」は、手元に岩波新書をもっていますが、ハードカバーが気に入ってお連れしたものです。半世紀も前に西洋政治思想史ゼミの師・脇圭平先生の影響を受けて育った私にとって愛読書のひとつです。書棚には、先生の著書「知識人と政治」、ウェーバーの「職業としての政治」(訳)なども鎮座しております。
 この書は「フルトヴェングラーとその時代」「芸術家フルトヴェングラー」「座談会:フルトヴェングラーをめぐって」の3部構成になっていますが、著者のお二人からは最後の座談会を先に読むことが推奨されています。政治学者の丸山政男と脇、芦津の3人による臨場感あふれるお話は、いつ読んでもワクワクします。
 真夏の昼下り、蝉の鳴き声を聞きながら長椅子に横たわって静かに古本と戯れるも良し。....8月半ばには京都・下鴨糺の森で納涼鴨川古本祭りが待っています。
 京都といえば、今週末に母校で「障がい学生支援制度発足20周年記念シンポジウム」があります。久しぶりに当時の仲間と参加する予定でしたが、コロナの感染拡大が懸念されるためオンライン開催になってしまいました。
 支援制度発足20周年ということは、私が在学して以降も当分の間は大学としての支援体制は整っていなかったということになります。当時、視覚障がいの親友たちの学習環境の改善を大学側にお願いしましたが、思うような進展はなし。ところが今回、支援体制発足20年周年とあります。古希を過ぎた”万年青年”たちはシンポジウムに興味津々、終了後には河原町で冷たいビールを飲もうという悪だくみまで企画していましたが、残念ながら自宅でZoomと睨みっこです。

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 きょうは、昨夜のオルガンコンサートの余韻を楽しむかのように、グレン・グールド奏でるオルガン演奏で、バッハのフーガの技法を聴きながらのブログ更新となりました。 

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