心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

蟄虫啓戸

2014-03-09 09:38:04 | Weblog

 ばたばたしているうちに、3月も9日。七十二候では「蟄虫啓戸(ちっちゅうこをひらく)」と言い、「地中の虫たちが大地の扉を開く意」なのだそうです。なにか気分が晴れやかになる表現ですね。今朝は、珍しくサン・サーンスのクラリネットソナタを聴きながらのブログ更新です。
 初春の陽気に誘われて、昨日は宝塚の清荒神さんに年に一度のお参りに行ってきました。片道2時間弱の道のりです。このブログでも何度かご紹介していますが、「火の神」「かまどの神」として広く庶民に信仰されているお寺で、正式には清荒神清澄寺と言います。御札をいただいて帰ります。家内安全、商売繁盛、厄除開運と、良いことだらけです。近代科学主義の時代にあってもなお、神仏にすがる人の思い、教義以前の人の「こころ」、アニミズムの世界が広がります。お地蔵さんにピントがあって梅花がぼけてしまいましたが、なんとなく春らしいので写真をアップしました。
 お参りを終えて大阪・梅田に着いたのが午後4時半。グランフロント大阪に立ち寄りました。でも、どこから人が沸いて出てくるのかと思うほどの賑わいです。何よりも若者が多い。興味本位に、養殖マグロに成功した「近畿大学水産研究所」店で近大マグロをいただこうと思いましたが、開店前から長蛇の列。諦めました。この大学、マグロ人気で志願者数が早稲田を抜いて全国トップになったとか。食の力ってすごいですねぇ。この日は、南館7階のイタリア料理のお店でゆったりと食事をして帰りました。その帰途、大阪三越伊勢丹のデパ地下を覗いたら、両手で抱えるほど大きなサツマイモが1個100円。きょうは、ほかほかの焼き芋がいただけるかもしれません。
 ところで、先週は3日間を広島で過ごしました。ふと、こんな二重生活をして何年になるのかなあと思いながらブログを調べてみると、ありました、ありました。2011年の4月。東北大震災の直後でした。あれから3年が経過します。時が経つのは本当に早いものです。
 週の前半には、世界的にも有名な化粧筆(熊野筆)の産地、熊野町を訪ねました。翌日はトップを広島に迎えて広島駅前のホテルの最上階で懇親会。このホテルにもいろいろお世話になりました。そして帰阪すると、週末に大阪で重要な会議。こんな生活が3年間続いたことになります。お疲れ様でしたと言いたい。と、偉そうなことを言いますが、広島・西条は酒どころでもあります。美味しいお酒に酔いしれた3年間でもありました。
 さて、朝日に輝く我が家の庭では、クリスマスローズが満開です。一昨年に手に入れた苗にも大きな蕾が膨らんで今にも開きそうです。こうして、じっと地面をみつめていると、様々な草花が動き始めています。イチゴの苗も、ここに来て大きく新芽が伸びてきました。5月連休の頃には孫君たちとイチゴ狩りを楽しむことができるかもしれません。そうそう、昨年植えたライラックの若木。これも蕾を大きく膨らませています。冬の寒さに耐えて今年も香しい花をさかせてくれるでしょう。
 こうしてみると、虫どころか人間様も大地(こころ)の扉を開く季節を迎えたのかもしれません。さあて、大きく育ったカブを幾株か引き抜いて長女のお家にお裾分けをいたしましょう。

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