心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

人の心と体を蹂躙するプーチン

2022-03-11 23:40:52 | Weblog

 きょうの夕方、何気なく庭を眺めていたら、土の中から黄色い小さな花が顔を覗かせていました。昨日はなかったのに....。エランティス・ヒエマリスというのだそうですが、要するに日本にも自生するセツブン草の仲間です。あれよあれよという間に「春」が目の前にまで来ています。
 先週に比べて今週は比較的ゆったりとした日々を過ごしました。そんななか、テレビでスペシャルドラマ『津田梅子~お札になった留学生~』を見ました。明治の初期、7歳で米国に留学し18歳で帰国したあと津田塾大学を創設する津田梅子の生涯を追ったものでした。サムライの時代から急に近代化の一歩を踏み出した時代の人々の進取の精神に惹かれ、大庭みな子著「津田梅子」を興味深く読んだこともあって、久しぶりに2時間にもわたるテレビドラマなるものを見ました。
 教育といえば、還暦を迎えた頃、ふとある雑誌でユニークな社会教育に取り組んでいる東京の若者たちに出会いました。シブヤ大学です。特に深い意味があったわけではありませんが、何かしら新しい動きに敏感な私はさっそくその代表に会いに行きました。広くもない事務所で会ったのは何とも若い学長でした。持ち前の企画力と行動力、ネットワークを使って「学びの場」を提供している、その意気込みに感服したものです。私がもう少し若かったらと思いながら、夕暮れ時の渋谷界隈を歩いて帰りました。そしていま、シニア対象の講座運営NPOのお手伝いをしている私がいます。
 先日、ふと思い出してネットで調べてみると未だ健在でした。https://www.shibuya-univ.net/ 。開学15周年。「シブヤ大学は、まちのあらゆる場所を教室に、多様な授業を開催しているNPO法人です。2006年の開校以来、開催した授業は1,400講座以上。これまでに36,000人以上が参加しています」とあります。当時お会いした方はNPOの代表として今も頑張っていらっしゃる。やはり若いっていいですね。
 高齢社会とはいえ、世界中どこの国にいっても若者たちが頑張っています。わくわく感があります。人の輪が広がり1人ではできないことでもうまく繋ぎ合わせることでより大きな事業に繋がっていくダイナミズムがあります。若者の特権です。
 しかし残念ながら、今週もウクライナのニュースから目を離すことができません。ロシアの侵攻を食い止めようとウクライナの若者たちが必死に防戦しています。日本にいて何もできないもどかしさが募ります。
 長い年月をかけて積み上げてきた人類の「英知」と「倫理」そして「良心」。それをプーチンが踏み倒そうとしている。毎日繰り返される無差別攻撃の映像を目の当たりにしている私たちに向かって、ロシアのラブロフ外相は「我々は攻撃していない」などと嘯く。小児科病院を攻撃しておきながら「反体制の巣窟になっていた」と嘯く。「侵略ではなくウクライナを守るためだ」と豪語する。ロシアの為政者の時代精神を疑います。どこかで何かが狂っている。
 何のための侵略かをロシアの国民にきちんと説明できないから報道規制をする、海外の情報を遮断する。これは国民への裏切り行為以外の何ものでもありません。これがプーチンの自己愛にすぎないとしたらロシアの国民どころか全世界の人類にとって悲惨なことです。「ナチス再来」と言われても仕方ありません。いずれ歴史の裁きを受けることになります。
 今夜は淋しい複雑な思いを胸に、私の大好きなチャイコフスキーの交響曲第5番を聴いています。どうしてロシアはこうも変わってしまったのか。

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