心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

秋の訪れにマイスキーのチェロを聴く

2021-09-04 10:25:04 | Weblog

 つい数日前まで茹だるような暑さだったのに、8月のカレンダーを捲った途端に気温も下がり何となく秋らしい空気が漂う今日この頃です。この時季、七十二候では「禾乃実」(こくものすなわちみのる)と言うのだそうです。稲が実り穂を垂らす意味です。都会地の片隅にある小さな田圃の横を歩いていると、かすかに稲の香りが漂ってきました。
 そんな季節の変わり目には、ミッシャ・マイスキーが演奏するバッハの「無伴奏チェロ組曲(全曲) 」がお似合いかも。実際にマイスキーのチェロを聴いたのはもう6年も前のことです。フェスティバルホールで。ヤクブ・フルシャが指揮するプラハ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でスメタナの交響詩「モルダウ~わが祖国」を聴いたあと、マイスキーのチェロでドボルザークのチェロ協奏曲、アンコールでドボルザークの「森の静けさ」とバッハの無伴奏チェロ組曲の一節を聴きました。きょうはこの曲を聴きながら1週間を振り返ります。
 実は、本当ならこの土曜日、横浜の次男君が孫娘を連れてマイカーで帰省するはずでした。お嫁さんのご実家ともぎりぎりまで様子をみていましたが、ここ大阪で過去最高の3千人を超える感染者が出るとあっては、ワクチン接種が終わったとはいえ無謀な冒険はできません。またもお預けになりました。お国の方では、ワクチン接種証明を活用した行動制限の緩和について議論が始まったようですから、状況をみて秋の半ばにでもこちらから横浜に出かけることにいたします。

 さて、我が家では今、イチジクが最盛期です。毎朝、窓辺にあるイチジクの樹から2個ずつ採っていただいています。それでも追いつかず今朝は6個も収穫しました。
 一方では、いつの間にか伸び放題になっていた庭の草木のお手入れに汗を流しました。広い庭でもないのに、下草刈りと庭木の剪定で数日を費やしました。ビニール袋8個分です。ふぅ~。
 去年、剪定の仕方を間違えたためか今年は柑橘類が全滅で、レモンもどきの樹にやっと1個ついているだけです。と思ったら、スダチの葉っぱの奥に2個見つけました。いつもなら小さなバケツ一杯は収穫できましたから、貴重な2個です。その夜は冷酒に浮かべて美味しくいただきました(笑)。
 こうして1週間は淡々と過ぎていきました。来週の半ばまで特段の予定はありません。ゆったりまったの時間を楽しむことになります。そこで手にしたのは、古本市から持って帰った髙村薫の「空海」でした。本の帯には「劇場型リーダーとして 国土経営のブルドーザーとして生き 死しては衆生の信仰の柱となった 元祖カリスマ・空海」とあります。お国の首相が退陣を表明したからというわけでもありませんが、なんとなく気になったので。帯には「巨人の脳内に映じた風景をカメラを携えて再現する思索ドキュメント」とあります。
 一方、家内は今月に入って放射線治療のため毎日病院通いが続きます。今のところ目立ったダメージもなく安心していますが、老夫婦そろって病院通いをする歳になりました。これもまた自然の成り行きなんだろうと思っています。

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