心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

春を迎えた東欧諸国~音楽の風景を楽しむ

2019-05-01 23:02:50 | 旅行

 東欧旅行から帰った日、まだ時差ぼけの中で5月1日にアップするサイトの更新作業をしました。カレッジの新バージョンです。その翌日、つまり今日は、小雨が舞うなか、京都岡崎公園にある京都市勧業館みやこめっせで開催された「春の古書 大即売会」に出かけました。ゲットした10冊のうちの1冊は「ヨーロッパ学入門」でした。考えてみると、昨年の同時期も南イタリア旅行から帰国した翌日、この古書展に来ていました.......。

  さて、4月下旬から出かけていた中欧5カ国周遊の旅8日間。様々な争いに巻き込まれながら、民族の絆と文化を大事に守ってきた中欧の国々を巡りました。関西国際空港を出発してミュンヘン空港を経てプラハに降り立ちました。以後、プラハ、ドイツのドレスデンに寄り道したあと、ウィーンへ。そして国際列車に乗ってスロバキアのブラチスラバ、ハンガリーのブダペストへ。ざっとこんなバスの旅でした。
 いろんな国を巡って未だ頭の中が整理できていませんが、いま浮かんでくるのは、モーツアルトやベートーヴェン、リストなど音楽の風景でした。ワーグナーの「さまよえるオランダ人」や「タンホイザー」が初演されたというドレスデンのゼンパーオペラ(旧ドレスデン国立歌劇場)。外観だけでしたが、その空気感だけでも感動でした。その広場は1999年に開催された「ドレスデン・ガラ・コンサート」があった所。ゲオルギューとアラーニャが歌ったDVDが手許にあります。
 もうひとつはウィーンのシェーンブルン宮殿大ギャラリーでのミニコンサート。こちらではモーツアルトやハイドンの曲を楽しみました。のちほどお話しますが、歌劇「ドンジョバンニ」の歌も。
 ふたつ目は、寒い冬を終えて春を迎えた東欧の風景でした。道路沿いの菩提樹が初々しい若葉を広げています。ライラックの花、マロニエ(トチノキ)の花が春を告げています。その下を子供たちが行き交います。そこには国を越えて人々の生活がありました。
 三つ目は、やはり東欧の国々の歴史。蒙古の襲来に脅かされた時代、ヒットラーの悲劇、そしてソ連に自由を奪われた時代。そんな時代を耐え抜いて自由を謳歌する東欧諸国です。ドナウ川、そして民族の文化、歴史をある種の誇りをもって守りながら今に生きる。海に囲まれ国境を意識することなく生きてきた日本との違いを感じることになります。
 共産主義時代の遺物と現在が混在する中で近代的な都市に様変わりしているブダペストは、フランツ・リストの街でもあります。夕食後に楽しんだドナウ川クルーズでは、船上から国会議事堂の幻想的な風景に心打たれました。
  そうそう。今回の東欧旅行に連れて行ったものがあります。村上春樹の「騎士団長殺し」(新潮文庫全4巻)です。片道12時間の機上の友です。騎士団長殺し?なにやら推理小説のようですが、読み出してみると雨月物語を彷彿とさせるハルキワールドの世界が広がります。騎士団長とはモーツアルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」に登場する人物です。それを題材に「騎士団長殺し」の絵を描いたのが、主人公(画家)が仮住まいする友人の父親。こちらは本格的な画家ですが、かつてウィーンに留学中事件に巻き込まれます.....。いろいろな人物が登場して大人のお伽噺が繰り広げられます。......4冊持参して3冊まで読み終えました。
 まだまだ語り尽くせないことがありますが、帰国したばかりなので、このへんで。日が経つにつれて何某かの思いが浮かんでくるのだろうと思っています。今夜は、ソプラノのゲオルギューとテノールのアラーニャ夫妻によるドレスデン・ガラ・コンサートのDVDを聴きながらのブログ更新でした。

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