心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

「家」とお墓

2018-08-23 21:03:48 | Weblog

 ちょっとした気候の変化に昆虫たちは敏感です。急に秋めいてひんやり感が漂う朝、お散歩をしていると、待ってましたとばかりに赤トンボがまとわりついてきました。蝉の声もミンミンゼミからツクツクボウシに変わりつつあります。....ところが、その数日後、台風19号と20号のダブルパンチ、またもや夏の暑さが舞い戻ってきました。この時期、元気なのは百日紅だけのようです。
 そんな夏のある日、孫君たちがバスに乗ってやってきました。ふだんは塾やらサッカーやら習い事やらで何かと忙しい彼らですが、環境が変わったためか長男君は夏の宿題も捗り、我が家にいる間に仕上げてしまう勢い。一方、来年小学1年生になる次男君は、今年は余裕の夏休みです。マンガを読んだりお絵描きをしたり。そうそう、ピアノの練習成果を披露してくれました。
 夕方になると、仕事帰りの両親が三々五々やってきて、楽しい夕食会となりました。孫君たちはもう1日泊まりたいと言い張ります。バスで10分ほどの距離なのに、二人とも「お爺ちゃんのお家は僕らの田舎だよ」と嬉しいことを言ってくれます。ついついお財布の紐が緩くなります(笑)。
 そうそう、68歳のお誕生日に京都に出かけました。まず向かったのは荒神口からほど近い鴨川縁のホテル「くに荘」。香淳皇后のご実家、久邇宮邸跡地に建つ国家公務員共済組合の宿所のようですが、京都の上京区で熱海温泉の源泉が楽しめることを突き止めた家内の企画でした(笑)。京の会席料理をいただいたあと、ゆったりと温泉を楽しみました。温泉は熱海から運んでいるのでしょうか。
 ひと息ついたところで、この日は知恩院に向かいました。お盆にお墓参りができなかったので、せめて総本山の知恩院にお参りをして亡き両親に無事68歳の誕生日を迎えたことのご報告です。
 この知恩院、6年前から国宝・御影堂の大修理が行われていますが、来年竣工の予定です。瓦葺きが終わって久しぶりに大屋根の一部が見えます。4年前に奉
納させていただいた特別瓦も、大屋根のどこかに葺かれていることでしょう。....夕刻、四条河原町のビアレストラン ミュンヘンで美味しいビールをいただいて帰りました。
 お盆のテレビ番組で「お墓」をテーマにしたものを見ました。墓じまい、無縁墓、墓友、自然葬.....。改めてお墓の意味を問うものでした。「家」というものに対する認識もずいぶん違ってきています。大家族から核家族への変化もあります。独居老人へのサポートが取り沙汰されている昨今でもあります。どこかで何かが置き忘れられているのかもしれません。難しい問題です。
 十数代にわたる先祖代々のお墓は実家に委ねるとして、子供たちが独立してしまった私ら夫婦は、あえてお墓は造らず知恩院に納骨してもらいます。子供や孫たちが何かの拍子にふと思い出したとき、ふらっと知恩院にお参りしてくれるだけでよいと割り切っています。そこには「家」を守るという発想はありません。ひとりの人間の生きた微かな痕跡をお寺に記すだけです。これでよいと思っています。 さてさて、今週から再びカレッジが始まりました。前期最終講座となった古典文学は井原西鶴の浮世草子「武家義理物語」(1688年)がテーマ。美しい姉妹と明智光秀のお話しでした。昨日は歴史の授業、西宮神社の歴史を学びました。そして今日は水彩画教室で、いくつかの瓶を画材に、影にも色があることを学びました。
 来月からは本科の運営アシスタントの仕事も始まります。何やかやで週3日を当てることになります。その合間を縫って「歩き遍路」に出かけたり、旅行に出かけたり。秋になると各所で古本フェアも開かれます。読書の時間もしっかりと確保したいところです。

 どうやら台風20号が四国か近畿地方に上陸するようです。我が家の周辺もずいぶん風が強くなってきました。テレビニュースには、台風が迫る室戸岬や潮岬の海岸が映し出されています。大きな被害がないことを願っています。その台風も今夜中には日本海に抜けるようです。その後を追って明日の夜、私は夜行バスに乗って高知に向かう予定です。伸び伸びになっていた「歩き遍路」№6です。リュックに菅笠に金剛杖、そして雨具。準備万端整いました。

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