心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

64歳の夏

2014-08-17 00:16:09 | Weblog

 今夏、64歳の誕生日を迎えました。母が他界した年齢を越え、父が他界した年齢まで、あと20年。その歳まで生き延びることができれば、人生の半分の40年は仕事に費やし、あとの半分は大学卒業までの前期20年と後期高齢期の20年、ざっとこんな計算になります。それはさておき、長期休暇もあと2日。前半は台風11号に見舞われ自宅で過ごす日々でしたが、かといって何の計画もなく休暇に突入したため、今夏もまさに行き当たりばったりの出たとこ勝負。久しぶりにゴンタ爺さんと一緒に過ごした夏休みでもありました。
 朝起きて「今日はどこに行こう」という会話で一日が始まります。12日は、家内と有馬温泉に出かけました。大阪・梅田のバスターミナルから「太閤の湯」へ。往復のバス代と入館料込み3,700円。1時間ほどで現地に到着です。岩盤浴を含めて出たり入ったりしながら、昼食を含めて3時間ほど滞在しました。そのあと、ます釣りを楽しんだりして帰阪しましたが、なんともゆったりしたものでした。
 翌13日は、お墓詣りがてら恒例の京都・下鴨納涼古本まつりに出かけました。いつもながら多くの人出で賑わい、2時間あまりかけて物色です。今回の収穫は、フルトヴェングラー著「音楽ノート」、丸山圭二郎著「文化=記号のブラックホール」、「続・能と能面の世界」に加えて、東大出版会の「知のモラル」、これでこのシリーズの三部作が揃いました。最後に、廉価コーナーで、やや黄ばんだ西田幾多郎著「藝術と道徳」を手にして、この日の選書は終わりました。
 14日は、気分を変えて一日中部屋に籠りレポート作成。まだ完成はしていませんが、大筋のシナリオは見えてきました。それに気分を良くして、翌15日は、滋賀県に足を伸ばしました。琵琶湖河畔に佇む佐川美術館です。終戦記念日だからというわけでもありませんが、平山郁夫館「平和の祈り」がお目当てでした。平山氏は広島県の生口島に生まれ、修道中学校時代に学徒動員で作業中、原子爆弾に遭遇しました。「平和の祈り」は、そうした平山氏の心象を知ることになりました。
 もうひとつ、特別展「北斎とリヴィエール~ふたつの三十六景と北斎漫画」も見応えがありました。冨嶽三十六景を初めて拝見しました。江戸の時代の風景と人の表情が生き生きと描かれた北斎漫画に、ただただ見入ってしまいました。下絵もさることながら、何枚かの版木をみて、その繊細にして緻密な絵師の技に驚くばかりでした。
 美術館を出ると、帰阪の途中、琵琶湖ホテルに立ち寄って遅めの昼食を終えると、琵琶湖を一望できる天然温泉に浸かって、これまたリラックス。頭の中まで天然になってしまいました。
 そして、休暇の後半は、いよいよ孫君たちの登場です。あいにくのお天気だったので、須磨の水族園にでかけました。その勢いで今日は我が家にお泊りです。もう一日、騒々しくも楽しい時間を孫君たちと過ごすことになります。こんな呑気なお盆休みもいつまで続くことやら。後期高齢期が見えてきた初老にとっては悩ましい時期を迎えることになります。なにか新しいテーマづくりが必要かもしれません。

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