心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

秋。読書の季節

2007-10-14 00:15:27 | Weblog
 ことしはキンモクセイの香りが長く続いています。きょうも窓を開けると、夜気にまぎれてほんのりと甘い香りが漂ってきます。10月も半ばを迎えました。北の国では初雪が観測されたとお天気ニュース。秋もぐんと深まっています。
 こうなると、愛犬ゴンタとの夜のお散歩が楽しくなります。夜空が澄みわたり、都会地にあっても星座を楽しむことができるからです。ベガ、デネブ、アルタイルを結ぶ「夏の大三角」が早々に姿を消し、「ぺガススの大四辺形」が秋の夜空に輝きます。わたしのメッセージを乗せた月探査機「かぐや」も、とうとう月周回軌道に入りました。12日には子衛星「おきな」と「おうな」を分離したとニュースが伝えています。高い軌道から「かぐや」を見守るという日本的で夢のある命名に、現実の慌しさを忘れさせてくれます。
 現実の慌しさを忘れるという意味では、読書もそのひとつ。とくに秋の夜長は、ゆったりと時間を過ごすことができます。わたしにとっては貴重な時間でもあります。最近は、本やインターネットなど様々な媒体を通じて溢れんばかりの情報が飛び交い、情報に溺れそうになります。斬新さと陳腐さが同居しているビジネス書も、少しうんざりしています。なので、このところ、家では滅多に仕事の本は読みません。寝転がって、御伽噺のような「ニーベルンゲンの指環」を眺めたり、椅子に腰をかけて草創期の雑誌「現代思想」を読んだりします。意識的にです。今は「構造と力~記号論を超えて」(浅田彰)という、これまた難しい本を時間をかけて眺めていますが、なかなか読み応えがあります。自らの視点、座標軸を再確認することができます。
 冷静に振り返ってみると、わたしは現実の世界に無理をしているのかもしれません。このブログだって、そんな息抜きなのかもしれないと、そう思う今日この頃です。......いつも日曜日に更新するのですが、あいにく明日の日曜日は、お勉強のために京都へ、月曜日から東京出張と続きますので、久しぶりに真夜中の更新となりました。
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