心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

プッチーニの『ジャンニ・スキッキ』

2005-03-13 19:06:13 | Weblog
 週末になると、帰宅途中、中古レコード店に寄り道することが増えました。せめてもの慰みといったところでしょうか。きのうも3枚ほど手にしましたが、そのうちの1枚がプッチーニの喜歌劇「ジャンニ・スキッキ」です。 実は何年か前に、フィリッパ・ジョルダーノが歌う「わたしのお父さん」を聴いて気に入って以来、洋ランを愛でるたびに口ずさんでいました。ただ、筋書きは知らなかったのです。見つけたレコードは、1959年にレコーディングされた英国盤ですが、傷もなく十分楽しめるものでした。ところで、その筋書きですが、舞台はフィレンツェの街、詩人ダンテの「神曲」からヒントを得たというから、これまたびっくりでした。先週の京都フィレンツェ展の続きを見ているようでした。
 対訳を片手に全曲を聴いて、私が思い描いていたものとは少し違っていました。内容はこうです。...フィレンツェの富豪ヴォーゾが死んで親族たちの関心は遺産相続に傾く。ところが見つかった遺言状にはすべて街の修道院に寄付するとある。これはたいへん。どうしたものかと嘆く。そのとき、親族の一人であるリヌッチオが、親族たちから結婚を反対されている恋人ラウレッタの父親ジャンニ・スキッキに助けを求める。しかし、ジャンニは断る。そのとき、娘ラウレッタが「優しいわたしのお父さん」と哀願する。...まさにその歌が「わたしのお父さん」だったのです。
 ジャンニは、娘の願いを聞き入れて、悪知恵を考えます。死んだヴォーゾに成り代わって新たに遺言状を作るというのです。ジャンニは、ベットに横たわって街の公証人に、古い遺言状を破棄し、親族たちに財産を分けていきます。ところが最も価値のある屋敷とロバと水車小屋はジャンニに贈る、と伝えました。「持参金無しの娘とは結婚させない」と娘の結婚に反対した親族たちへの仕返しでもあったのです。遺産を手にしたリヌッチオとラウレッタが愛を確かめあう中、ジャンニ・スキッキは聴衆に向かって許しを請うて幕が閉じる、というものでした。う~ん。
 近所の書店でダンテの神曲(第1巻)を探してきました。
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