ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

ナポレオンに嫌われたチーズ

2007年05月06日 | チーズの話

Photo_307 春から初夏は、山羊のチーズ・シェーブルの季節。山羊は、春に子供を産みミルクを出す。現在は、山羊の出産時期をコントロールし一年中食べられるようになってはきたが、やはり農家製のシェーブルはこの時期が美味しい。シェーブルの中でも有名なものに、「ヴァランセ」がある。雪印さんのアンテナショップとしてのチーズ専門店の名前にもなっているほど有名なチーズだ。
クアトロに入荷したヴァランセは、熟成が進みピラミットが黒ずんで縮んできている。これが美味しい。
ヴァランセの故郷はフランスのロワーヌ地方。この地域はシェーブルのメッカになっている。スペインが隆盛のころ、フランスにも侵攻して来たがこのロワーヌで敗退することになる。その時、スペイン軍が連れていた山羊が置いてきぼりにされ、この地の名産になってしまう。その後、ナポレオンによりフランスが隆盛になると、ナポレオンはエジプト遠征に出かけることになる。すると、イギリス・ネルソン提督などの抵抗にあい、エジプト遠征は失敗に終わる。それに腹を立てたナポレオンはこのヴァランセのピラミットの頭を削らせたという。事実かどうかはともかくとして、食べ物にも戦争の歴史が刻まれていることが実に多い。
青葉茂れる季節、ロワーヌの白ワインを軽く冷やして、このヴァランセでもいただいたら、戦争なんてしたくなくなるのに。ナポレオンは味覚音痴だったという説も頷けてしまう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする